情報社会における人格権の保護と情報財の流通に関する私法的規律
Project/Area Number |
18K01361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
栗田 昌裕 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30609863)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 差止請求権 / プライバシー / 情報法 / 物権的請求権 / 著作者の権利 / デジタルプラットフォーム / デジタル消尽 / 基本権衡量 / 著作権法 / 個人情報保護法 / プラットフォーム / 消尽の原則 / ブロッキング / AI / 著作権 / 発明者名誉権 / 著作者人格権 / 人格権 / 民法 / サイトブロッキング / 財産権 / アーキテクチャ / 忘れられる権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
人格権の保護と情報財の円滑な流通を確保するためには、レトロスペクティブな損害賠償請求権だけでは不十分であり、侵害行為の差止めが必要不可欠である。しかし、民法は占有訴権のほかは差止請求権について明文の規定を置いておらず、物権以外の権利に基づく差止請求権の要件効果については判例法に負っていた。本研究課題の主要な目的の一つは、差止請求権の理論的基礎とその要件効果について、とりわけ情報の流通によって侵害される実体的権利を想定しつつ一定の視角を得ることである。 この研究目的を実現するため、本年度は、主として民法分野における判例研究を行った。年度内に公表された文献のなかでは、賃借権に基づく差止請求権についての基本判例である最判昭和28年12月18日民集7巻12号1515頁について従来の議論を体系的に整理する機会を得たことと、プライバシーに属する情報を含むツイートの削除請求に関連してプライバシーに基づく差止請求権の要件について判例が新たな立場を明らかにした最判令和4年6月24日裁判所ウェブサイトについて紹介する機会を得たことがとりわけ重要である。前者については、物権と債権とを問わず差止請求権を認めていた戦前の判例学説から現在に至るまでの展開を跡付けることにより、伝統的な見解を再評価する機会を得た。これは、法制史的観点から差止請求権の基礎を探究するという本研究課題の手法にも沿うものである。また、後者については、速報的な判例評釈を公表した後、研究会報告を行い、より浩瀚な評釈の公表を準備している。そのほか、占有の効力に関する最判平成12年6月27日民集54巻5号1737頁の評釈を行い、プライバシー侵害と名誉毀損について最新の情報を含む演習書の執筆を分担し、研究成果のより広い公表に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
法科大学院学務委員長を拝命して在学中受験への対応等に従事したことと司法試験予備試験考査委員としての業務を新型コロナウイルス禍の継続するなかで並行して行ったことにより、当初予定よりも若干の遅れが生じている。これは再延長を申請した理由でもある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度であり、これまでに継続していた研究成果の公表に努める。すでにいくつかの論文及び判例評釈の公表準備を進めており、体系書の新版も年度内に公表の見込みである。
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Report
(5 results)
Research Products
(27 results)
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[Book] 情報法概説〔第2版〕2019
Author(s)
曽我部真裕=林秀弥=栗田昌裕
Total Pages
462
Publisher
弘文堂
ISBN
9784335357640
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Author(s)
栗田昌裕ほか(山本龍彦編、共著)
Total Pages
473
Publisher
日本経済新聞社
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