デザイン保護に関する意匠法保護秩序の特色とその合理性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18K01389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
本山 雅弘 国士舘大学, 法学部, 教授 (70439272)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 応用美術 / デザイン / 意匠権保護範囲 / 著作権保護範囲 / デザインの類似性 / 応用美術の美的機能と物的機能 / 美的機能の相対的評価の基準 / 分離可能性基準 / 意匠 / 著作物 / 類否判断 / 侵害判断 / 判断手法 / 保護要件充足要素 / 侵害判断の特色 / 保護要件の比較 / 類似性 / 権利の保護範囲 / 規範的判断 / 意匠権 / 著作権 / 類否判断の対比対象 / 意匠の要部 / 著作物の創作的表現部分 / 創作性の程度 / 保護対象の特色 / 意匠法の創作性概念 / 著作権法の創作性概念 / 意匠法と「物品」の関係 / 欧州意匠制度 / 意匠保護範囲と「物品」 / 「物品」の制約なき欧州意匠法が導く解釈問題 / デザインの法的保護 / 意匠法保護秩序 / 著作権保護秩序 / 不正競争防止法の形態模倣規制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な課題に、意匠権保護範囲と著作権保護範囲の異同、換言すれば、意匠法上の類似性認定範囲と著作権法上のそれとの異同の考察がある。この課題に関して、「最先端技術関連法研究」21号に「応用美術をめぐる著作権保護範囲と意匠権保護範囲の相違に関する覚書―応用美術の著作権保護範囲と意匠権保護範囲との調整弁としてのいわゆる狭小保護範囲論の検討として」を公表した(2023年2月)。同論文では具体的な裁判例の分析により、意匠権侵害を導く類似関係は著作権侵害を導く類似関係と一致せず、意匠権保護範囲(意匠法上の類似性認定範囲)を脱し得る形態上の相違点が、著作権保護範囲(著作権法上の複製・翻案による類似性認定範囲)を脱し得るわけではないことを、ドイツ法の最高裁判例も参照しつつ、明らかにした。この成果を前提に、一般的な創作性基準によりデザインの著作権保護を承認することが、当該デザインに関する意匠権保護範囲を超えた独占保護範囲を提供し、当該デザインに関する意匠法保護秩序を混乱させる可能性が否定できないことも明らかになった。また、デザインの著作権保護に関する論点を提供した知財高裁の「タコの滑り台」事件(知財高判令和3・12・8)の判例研究を通じ、デザイン保護に関する著作権解釈論(分離可能性基準)にも理論的な展開・変容が生じていることを明らかにした。さらに、そうしたデザイン保護に関する著作権解釈論の理論的展開を踏まえ、新たな解釈論として、応用美術の美的機能と物的機能との一元的・併存的な把握をベースにその美的機能の相対的評価によって保護されるべき応用美術を見極める考え方が妥当と解される旨を検討し、その研究成果を著作権関係の講演会で公にするとともに、その論文をコピライト740号に「応用美術の美的機能と著作権法による保護ー分離可能性基準と『2つの応用美術問題』をめぐって」として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、意匠権保護範囲の合理的な実態の把握をしつつ、著作権のもとで一般に承認される著作権保護範囲と意匠権保護範囲とを比較し、応用美術ないしデザインに著作権保護を認めることの是非を、そうした著作権保護が応用美術に関する意匠権保護範囲の合理的な秩序を混乱させることがないかを考察することを内容とする。このような本研究の課題との関係で、令和4年度の研究を通じ、意匠権保護範囲に関して裁判例に現に妥当している解釈論(合理的な類似性認定範囲)と著作権保護範囲に関して一般的に妥当している解釈論(合理理的な類似性認定範囲)とが一致していないこと、換言すれば、著作権保護範囲に基づくデザインへの独占保護範囲の提供は、意匠権保護範囲によって提供されるその合理的な保護範囲を超過する可能性があることを、具体的な裁判例の考察を通じて明らかにできたことは、重要な研究進展と評価できる。 また、応用美術の著作権保護に関して、現時の裁判例に妥当する分離可能性基準の考え方について、理論的沿革を明らかにし、その今日における理論的変容を明らかにし、加えて、その理論的な問題点も明らかにしたうえで、そのような理論的問題を抱えた分離可能性基準に代えて、応用美術の美的機能と物的機能との併存的・一元的な把握を前提に、その美的機能の相対評価により、意匠権保護秩序に与える混乱を回避しつつ、著作権により保護されるべき応用美術の見極めを行うべき旨の解釈論を提示できたことも、応用美術ないしデザインの保護のあり方を検討する本研究課題との関係で、重要な研究進展と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を基礎としつつ、本研究課題に関して、それを総括し得るような研究成果の取得を目指す。より具体的には、令和4年度の研究成果により明らかになった、応用美術の著作権保護に関する美的機能の相対的評価による基準について、その具体的な実践例と解され得る裁判例を研究することにより、同基準論の理論的な妥当性の検証を重ねていく。また意匠法の特色をさらに研究するうえで、意匠法の一つの登録要件である創作非容易性(意匠法3条2項)の体系的意義についても、研究を進めたい。
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Report
(5 results)
Research Products
(18 results)
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[Book] 著作隣接権の理論2021
Author(s)
本山 雅弘
Total Pages
464
Publisher
成文堂
ISBN
9784792334079
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