日本の南極外交に関する基礎的研究:変容する南極レジームへの対応とその要因
Project/Area Number |
18K01487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大久保 彩子 東海大学, 人文学部, 准教授 (40466868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2018: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 南極条約 / 環境外交 / 自然保護 / 国際制度 / 資源管理 / 海洋生態系 / 南極海 / 資源開発 / 国際協力 / 海洋保護区 / 南極 / 環境保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の南極政策の歴史的経緯に関する調査を実施し、南極地域における科学観測の継続・充実と南極条約体制(ATS)の多国間意思決定機関としての正統性の維持を優先課題としてきた政策的対応のあり方を分析するとともに、環境保護と資源管理に関する政府間交渉の動向と日本の対応について引き続き調査をおこなった。日本の南極外交の説明要因の分析では、南極条約環境保護議定書の日本の国内実施において、特に科学観測活動により生じる廃棄物管理において徹底した取組がなされてきた要因として、長期間にわたる国際科学協力への参加を通じた関係者の社会的学習が作用した可能性が示唆された。他方で、南極条約協議国会合において採択された合意措置や環境保護議定書の批准の遅れを招いた国内政治的要因に関しては、産業界の影響力は限定的であった一方で、前例踏襲主義やセクショナリズムといった要因が作用していたことが示唆された。また現在においては、南極の環境・生態系保全のためには、気候変動や海洋プラスチック汚染等、南極域外におけるグローバルな対策の強化が必要とされる状況となっており、そうした課題に対処するためのATS内外の多国間制度の調整と日本がとりうる方策をレジーム複合体の分析枠組みを用いて検討し、南極研究科学委員会(SCAR)が主催する第10回オープンサイエンスカンファレンスにおいて研究発表を行った。並行して、南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)が先駆的に取り組んできた漁業資源管理における生態系配慮の規範と原則が日本の主要な漁業関連法・政策文書にどのように反映されてきたのかを分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症をめぐる社会的情勢により調査に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の南極外交の説明要因について、これまでの分析結果から示唆された国内政治的要因や認識的側面についてより精緻に分析するため、公文書の調査と国内報道の分析を対象を拡大して実施するとともに、研究結果をとりまとめる。
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Report
(5 results)
Research Products
(10 results)