Economic theory for the mixed recycling market
Project/Area Number |
18K01638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
猪野 弘明 関西学院大学, 経済学部, 教授 (30546776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ミクロ経済学 / 環境経済学 / 産業組織論 / 循環型社会 / 混合市場 / 環境規制 / ミクロ経済理論 / 廃棄物 / リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
循環型社会を政策的に形成するにあたり,効率的な再生と廃棄の配分を促す経済メカニズムの導入は不可欠である.本研究計画の目的は,私企業や公的企業がリサイクル市場で競争する混合市場を考え,循環型社会に働く市場メカニズムはどのようなものであるかを,理論モデル分析によって明らかにし,これにより,循環型社会における公的企業の望ましい介入(もしくは非介入)のあり方,生産者系私企業の拡大生産者責任のあり方,またそれらの関係について経済学的な政策含意を導くことである. プロジェクト5年目である2022年度は,2021年度の作業を継承して,上記研究計画に基づき,循環型社会と環境経済理論の各種研究をまとめ上げるべく進捗させた.すでに2021年度分の報告でも述べたように,私企業を参加させてリサイクルを政策的に促進する場合に生じる不法投棄問題に関しては,単独のトピックとして成果が完結している(2019年度に論文で刊行).このため以下は,その他やり残していた課題の進捗について記述する. まず,廃棄のコントロールには,各種財の技術的な排出係数を規制する政策手段の親和性が高い.このため,一般的な環境経済学理論研究の立場から,寡占市場への適用を行い,この点の理論分析を行っていた.2020年度と2021年度に,その成果が論文として刊行に至り,環境税や排出権取引も含む一般的な政策への理論的適用の可能性が明らかにされた.2022年度は,特に製品ライフサイクルにおける政策適用において,このような環境税とのポリシーミックスがもたらす最適性にさらに一般的に着目し,この点の研究を推し進めた. 次に,廃棄物処理事業の民間へのアウトソーシング(廃棄物市場において私企業と公的企業の混合市場が形成されるための前提条件)についての研究は,理論的シミュレーションにデータを適合させる試みを行っている最中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度分の報告までに上げていた3つの課題について,第一の不法投棄問題に関する研究と第二の排出係数規制に関する研究に関しては,いずれも国際ジャーナルに論文が刊行されており(2019年度,2020年度,2021年度),本研究計画の課題として順調に成果を上げ,完了したと言える. 但し,研究実績の概要でも述べた,製品ライフサイクルにおける政策適用において,新規に理論的課題が発見され,新たな理論分析として研究を始めた.そのため,この研究の進捗は初期段階となっており,2022年度内ではショートノートのデスカッションペーパーとして一旦まとめた状態である(10「研究発表」参照). 第三の公企業のアウトソーシングに関する研究は,理論論文としては学術誌に投稿をできる一定の水準に至っているが,さらなる高水準の研究を求めて実証データとの融合を試みていた.現在では理論シミュレーションを融合させるアイデアを立案できたが,作業は現在進行中で,成果をまとめた発表には至っていない. 以上より,研究計画当初からの流れ全体としては,複数の成果を上げて研究はすでに想定以上の進捗したと言えるが,最後のまとめとして研究中に見えてきた課題等にも取り組んで区切りをつけるべく,「やや遅れている」とみて,本研究計画の終了年度を1年延長した.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までに述べてきた多くのトピックについて成果が上がってきているので,延長後の最終年度である来年度は,これらの成果をまとめる.特に,リサイクル市場および循環型社会との関連性を整理しつつ,総合的な考察を図っていく. 分析の基となるリサイクル市場の経済分析に関しては,2019年度に既に刊行した論文を基に,環境政策に関する2020年度・2021年度の刊行論文との関連性もまとめ,計画全体の完成度を高めていき,その発表や一般への解説などにも取り組むことを目指す. 廃棄物処理事業のアウトソーシングの分析については,混合リサイクル市場で実際に公企業がしばしば行う形態であるので重要であり,引き続き理論とデータの融合に挑戦していき,改訂を繰り返して完成度を高める. これらを総合的に勘案し,混合リサイクル市場を含んだ循環型社会の経済分析を進め,引き続き,産業組織論の分析手法と循環型社会の経済学を統合していき,モデル解析とその成果を取りまとめ,研究計画を完遂する.
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Report
(5 results)
Research Products
(8 results)