社会的少数者の家族成員間での体験共有と関係性の(再)構築をめぐる研究
Project/Area Number |
18K02003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
黒坂 愛衣 東北学院大学, 経済学部, 教授 (50738119)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ハンセン病問題 / 聞き取り / 社会的少数者 / 家族 / 差別 / 裁判 / ハンセン病 / 聞き取り調査 / 優生保護法問題 / 家族関係 / 障害 / 原発事故による長期避難 / マイノリティ / ライフストーリー聞き取り / 参与観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
①研究代表者は「ハンセン病家族訴訟」(2016年に熊本地裁に提訴された国賠訴訟、2019年確定判決)にて、原告側の専門家証人として裁判所に意見書を提出し、法廷で証言した。この意見書と証言の記録が所収されている共著書『ハンセン病家族訴訟――裁きへの社会学的関与』を上梓した。この裁判の原告561名のほぼすべての陳述書を読み込んだうえで、彼ら/彼女らが受けた「差別による被害」のありようを質的に分析した。ハンセン病家族としての存在に対する認識の4パターンから「直接的な被差別体験」「生き方の選択肢の制限」「差別に無防備なまま対処できない」「歴史性の剥奪」といった4つの被害があることを明らかにした。――証人調書では主として、「らい予防法」により原告らの身に生じた「家族関係の阻害」という被害について述べている。肉親の長期にわたる療養所への隔離や、〈感染する怖い病気〉というイメージの喧伝、さらにはハンセン病患者とその家族へ向けられた社会的差別によって、原告らに「家族関係の阻害」という被害が生じていたことを明らかにした。 ②国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」で暮らす入所者からの聞き取り記録2編をまとめた(埼玉大学大学院紀要)。語り手はおふたりとも菊池恵楓園入所者自治会の会長経験者である。ご自身の生活史のほかに、1996年の「らい予防法」の廃止、2001年の「らい予防法」違憲国賠訴訟原告勝訴判決、2003年のハンセン病回復者宿泊拒否事件など、ハンセン病問題の重要な出来事について、当時の状況が入所者の視点で語られている。 ③研究協力者らとともに長野県長野市で開催された「ハンセン病市民学会・全国交流集会」に参加し、あわせてハンセン病家族問題研究会を開催した。あわせてハンセン病家族1名からの聞き取りを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりフィールドワークおよび聞き取りを実施することが難しい状況は依然として継続中である(本研究課題の主たるテーマであるハンセン病問題の当事者が高齢世代であり、療養所訪問もできないため)。それでも、これまでの調査をまとめるかたちで成果を出すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、これまでに蓄積してきた調査の成果をまとめる作業を進める。
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Report
(5 results)
Research Products
(25 results)