Actul Condition Survay on Music Education practice for Movable and Fix Do
Project/Area Number |
18K02641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
水戸 博道 明治学院大学, 心理学部, 教授 (60219681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 音高知覚 / 符号化 / 音楽教育 / 絶対音感 / 移動ド / 固定ド / 読譜・記譜 / 相対音感 / 読譜 / 階名 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、音楽経験の異なる大学生が、簡易な音高関係をどの程度ドレミの音名(階名)で聴くことができるのかを、音高知覚実験によって調査した。また、絶対音感の有無によってこうした能力がどの程度異なるのかについても分析した。 調査の課題は、旋律をドレミで回答するものと絶対音感テストの2つであった。旋律をドレミで回答する課題は全部で15問であり、全て5音からなる旋律である。5音からなる旋律は、順次進行、分散和音、順次進行と跳躍音程の混合型の3種類の旋律である。また、調性が認識できるように、最初の4問はドから始まる旋律とし、参加者にもそれを伝えた。絶対音感テストでは、ピアノ音による単音が3秒間隔でランダムに提示された。調査には、学校での授業以外に音楽的訓練を受けたことがない者と、学校以外の音楽訓練が1年以上ある者の計86名が参加した。 調査の結果、ドレミの旋律課題の正答が11問以上であった参加者は43名、6問以上10問以下が21名、5問以下は22名であった。これらの結果を音楽経験との関連で見てみると、11問以上正答した者の大多数が学校外での音楽訓練の経験を持っていた。また、絶対音感を保有しているとみられる者は全員ドレミの課題が15問正答していたが、絶対音感のテストがチャンスレベルの成績であった者でもドレミの旋律課題で全問正答している者がいた。ドレミの旋律課題の各問題による正答率を見てみると、第1問目のドレミファソの旋律は、全員が正解していた。また、分散和音を含んだ課題は正答率が低い傾向であった。 調査の結果より、旋律の符号化の能力には、音楽訓練の経験と絶対音感の保有が深く関連していることがわかった。ただ、音楽訓練を受けていない者でも、一定数の正答率を示している場合もあり、学校における音楽教育も、符号化の能力の育成に一定程度関わっていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、音楽経験の異なる大学生が、簡易な音高関係をどの程度ドレミの音名(階名)に言語的に符号化して聴くことができるのかを、音高知覚実験によって調査した。しかし、小学生と中学生に対して同様の調査を行うことができなかったので、引き続き2022年度に行った調査を異なる参加者に対して行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、さまざまな音楽経験をもつ者がどのように音高の言語的符号化をおこなっているのかを調査することである。先行研究や2022年度の調査では、音高の言語的符号化には、絶対音感が関わっていることがわかっている。絶対音感は音高が自動的にドレミなどのシラブルで聞こえてくる能力であり、音高が言語的シラブルに最も強く結びついた能力であると言える。そのため、楽器を演奏したり、音楽を譜面に書き取ったりする場合に大変便利な能力であると言える。しかし、音感の符号化は、絶対音感のように言語的シラブルが常にC=ドのように固定的に結びついているケースばかりではない。たとえば、移動ドなどドレミのシラブルをそれぞれの調の中の機能的な役割の名称として符号化する場合は、ドレミのシラブルは調によって異なる音高に対応した符号化が行われる。また、移調楽器など、楽譜に記された音高と実際に演奏される音高が異なる場合においても、ドレミなどの音高シラブルは、絶対音とは異なる音高に符号化されることとなる。 このように、音楽的音高は、かならずしも固定的な音高と対応して符号化されるわけではないが、これまでの研究では、絶対音感のような固定的な符号化が身についた場合、移動ドの訓練や移調楽器の演奏などにおいて不都合が生じることが報告されている。しかし、絶対音感を持ちながらも、音高の符号化を流動的に運用できるのかについてはこれまで検討されることが少なかった。そこで、2023年度の研究では、絶対音感の保有者が、絶対音高以外の符号化の運用を行うことができるのかについても調査を行うこととした。具体的には、絶対音感を保有している移調楽器学習者に対して、音高の知覚を絶対音高のドレミのシラブルの符号化と移調された音高のドレミのシラブルの符号化の両方が可能であるのかを実験的に調査する。
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Report
(5 results)
Research Products
(2 results)