• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

T’型銅酸化物高温超伝導体の本質的基底状態の核磁気共鳴法による解明

Research Project

Project/Area Number 18K03505
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

深澤 英人  千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (90361443)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小堀 洋  千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (10153660)
川股 隆行  東北大学, 工学研究科, 助教 (00431601)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2018)
Budget Amount *help
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Keywords擬ギャップ / 反強磁性ゆらぎの抑制 / d波超伝導 / 超伝導 / 核磁気共鳴 / 銅酸化物
Outline of Annual Research Achievements

銅酸化物高温超伝導体はその発見以来、母物質である反強磁性モット絶縁体にキャリアを注入することにより超伝導が発現すると考えられてきた。しかし、近年Nd2CuO4構造いわゆるT’構造をもつ電子ドープ型高温超伝導体において、過剰酸素を取り除くことにより、電子をドープしなくても超伝導が発現する可能性が示された。しかし、一方で実験的に示されてきたこのノンドープ超伝導は、実は酸素がCuO2面から取り除かれ電子ドープが起こっており、その超伝導は従来通りのドープされたモット絶縁体としての高温超伝導であるとも、最近の研究では指摘されている。
T’-PLCCOやT’-LECOは、適切な還元処理により、超伝導を示し、還元処理の度合いにより超伝導転移温度Tcの異なる試料を得ることができる。本年度は、様々なTcをもつこれらの試料の中でT’-PLCCOに注目し、系統的に63,65Cu核、139La核のNMR測定を行なった。そのスペクトル形状と第一原理計算を基にしたシミュレーションとを組み合わせて解析を行い、結晶中のどの位置の酸素が除去されているかを同定することを試みたがこれについてはまだ決定的なことを結論付けられるには至っていない。
さらに、温度を変化させて63,65Cu核のNMR測定を行なうことにより、この物質における磁気ゆらぎと超伝導の関係について調べた。具体的には、超伝導・常伝導状態における核スピン・格子緩和率測定およびナイトシフト測定を行なうことにより、超伝導対称性および反強磁性ゆらぎの有無・強さを明らかにした。特に、電子ドーピングが進むにつれて反強磁性ゆらぎが抑制されること、どのドーピング域においてもd波超伝導状態が実現していることが明らかになった。また、電子ドープ型のNMR研究では初めて擬ギャップ現象を観測した。
以上の計画を実行するために、設備品としてNMRパルサーを新規に導入した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

結晶中の酸素欠損の位置決めに関して、決定的なことが言えない状況である。しかし、定量性をもって結論付けるには多くのデータが必要であり、これについては次年度以降に持ち越しとなっている。
今年度もっとも驚きの結果と言えるのは、電子ドープ型銅酸化物高温超伝導体のNMR測定で初めて擬ギャップ現象を観測したことである。これは、銅酸化物高温超伝導体における電子ホール対称性が存在するかという問題への足掛かりになる結果であると考えられる。
以上のことから、本研究課題は新たな知見も見出すことができたことからおおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度見出した擬ギャップ現象に関して、現在のところ、T'-PLCCO(x=0.10)の組成でのみ観測されたにとどまっている。この組成から(Pr,Ce)の置換量でx=0.05ずれた組成ではこの現象は観測されていない。昨年度の研究成果を論文としてまとめるとともに、次年度はx=0.10に近い組成の試料で同様に擬ギャップ現象が観測されるかを吟味する。
また、T'-LECOの酸素をフッ素で置換した試料の合成も進んでおり、この試料では電子ドープが進んでいると考えられるが、この試料における反強磁性揺らぎや超伝導状態に関しても研究を進める予定である。

Report

(1 results)
  • 2018 Research-status Report

Research Products

(3 results)

All 2019 2018

All Presentation

  • [Presentation] 電子ドープ型高温超伝導体 T’-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4+dの63,65Cu,139La-NMR2019

    • Author(s)
      金丸周平, Lee Yongsun, 後藤雅人, 深澤英人, 小堀洋, 高橋晶, 川股隆行, 川端公貴, 田島一輝, 足立匡, 小池洋二
    • Organizer
      日本物理学会
    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Presentation] T'構造をもつ銅酸化物高温超伝導体の強磁場NMR2018

    • Author(s)
      深澤英人,後藤雅人,金丸周平,石山聖也,小堀洋, 大橋幸記,川股隆行,足立匡,平田倫啓,佐々木孝彦,小池洋二
    • Organizer
      東北大学金研研究会「強磁場コラボラトリにおける物性研究の現状と展望」
    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Presentation] T'型銅酸化物高温超伝導体のNMRによる研究2018

    • Author(s)
      小堀洋、深澤英人、後藤雅人、金丸周平、Lee Yongsun、 高橋晶、大橋幸記、川股隆行、川端公貴、田島一輝、 足立匡、平田倫啓、佐々木孝彦、小池洋二
    • Organizer
      科研費合同研究会 「真性T'構造銅酸化物における電子状態とノンドープ超伝導機構の解明」 「中性子スピンプリズム法の確立と超伝導体の電子多自由度マルチダイナミクスの研究」
    • Related Report
      2018 Research-status Report

URL: 

Published: 2018-04-23   Modified: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi