Project/Area Number |
18K03689
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 今日子 東北大学, 理学研究科, 客員研究者 (70377993)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 宇宙ダスト / 氷 / 核生成 / 凝縮 / 分子動力学計算 / 褐色矮星 / 中間圏 / 夜光雲 / 金属 / 鉄 / アモルファス / 水 / 星間ダスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地球・宇宙環境における固体微粒子(ダスト)の生成と進化に関する総合的な描像の構築を目指し、気相からの核生成や凝縮過程を理論モデルや分子シミュレーションを用いて調べている。令和4年度は以下の研究を行った。 1.地球の中間圏における雲(夜光雲)の生成過程についての理論的研究を行い、その研究成果が国際雑誌に掲載された。また、地球の夜光雲の生成過程で用いた凝縮・結晶化の理論モデルを、火星大気の中間圏で観測されている雲の形成過程に応用した。核生成の計算を行う際、分子動力学計算や実験の核生成率を再現する高精度の半現象論モデルを用いた。火星大気で起こりうる温度(圧力)、冷却速度をパラメータとして、均質核生成および不均質核生成の凝縮計算を行った。 2.実験装置を観測ロケットに搭載して、ガス中の対流の影響が無視できる微小重力下で宇宙ダストの核生成実験が行われた。この観測ロケットにより、シリケート粒子と炭素質粒子の2つの実験が行われ、この実験結果と理論モデルの比較検討を行った。ガス中の温度や濃度の分布が時間変化して微粒子が形成される様子を、光学的な方法によりリアルタイムで観察することにより、核生成時の温度や圧力が測定されており、この実験結果を理論モデルと比較検討した結果、表面張力と付着力を定量的に求めることができた。その結果、付着力は非常に小さく、ダスト生成の効率が低いことが示された。実験では隕石中のプレソーラー粒子に見られる中心に炭化チタンのナノ結晶を持った炭素質の粒子の生成を再現できており、その生成過程についての推定を行った。今回の研究成果は、宇宙ダストの特徴を理論的に説明する方法の確立につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地球の中間圏における雲(夜光雲)の生成過程の理論研究の成果は国際雑誌に掲載され、その結果は東北大学・北海道大学の共同プレスリリースとして掲載され、インタビュー内容がNHKニュースにも取り上げられた。また、観測ロケットを用いた宇宙模擬ダスト実験のシリケート粒子と炭素質粒子の宇宙模擬ダストの実験及び解析結果についての成果は、それぞれ2つの国際雑誌に掲載され、北海道大学・JAXA・東北大学においてプレスリリースとしても掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
凝縮・結晶化の理論モデルを用いた火星大気の中間圏で観測されている雲の形成過程についての研究をさらに進める。観測と連携し、火星大気で考えられるさまざまな大気環境を考慮して計算を行い、観測と比較検討することにより、雲の生成過程を明らかにする。また宇宙ダストを構成する様々な物質に対して分子動力学(MD)計算を行い、核生成過程を考える上で重要な物質の付着確率や表面張力などを評価する。近年、研究協力者との共同研究として、観測ロケットを用いた宇宙模擬ダスト実験が精力的に行われており、実験で用いられた金属や炭素物質、酸化ケイ素等の分子動力学計算を行い、実験との比較検討を行う。
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Report
(5 results)
Research Products
(40 results)