Project/Area Number |
18K06425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History (2019-2022) University of the Ryukyus (2018) |
Principal Investigator |
中西 希 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (40452966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 晋 東海大学, 生物学部, 准教授 (20727292)
木寺 法子 岡山理科大学, 生物地球学部, 講師 (30720685)
中本 敦 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (80548339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 食物ネットワーク / 島嶼 / 食性 / 胃内容物 / 交通事故死体 / 食物網 / 捕食-被食関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
イリオモテヤマネコは、世界で最も小さな島嶼に数万年に渡り個体群を維持してきたネコ科動物である。完全肉食獣であり頂点捕食者でもあるネコ科動物が、小島嶼において生息できていることは極めて珍しく、食肉目動物の生息を支える西表島の豊かな生物相については明らかになってきているが、それらの動物が互いにどのように結びついているのかは未だ不明な点が多い。本研究では、この生物同士の結びつきを被食・捕食関係である食物ネットワークの視点から明らかにすることを目指している。被食・捕食の事実を元に食物ネットワークを線的に構築した先行研究は多く存在するが、この関係性を島嶼生態系で量的に示した研究は極めて稀である。また、小島嶼において肉食哺乳類の生息を支えるために段階的に必要な生物体量を明らかにすることは、島嶼生態系の維持機構の解明において重要である。そこで、本研究では近年の交通量の増加により轢死している動物に注目し、交通事故死亡個体の胃内容物を用い被食・捕食関係を量的に明らかにする。研究対象として、西表島の食物ネットワークの中心にイリオモテヤマネコを位置づけ、本種の主要な餌動物の中から個体数と生物体量が比較的多い地上棲鳥類、ヘビ類、カエル類、オオコウモリを選定した。各種の胃内容物を分析し、1個体が1日に必要な最小食物量を算出する。また、各種が被食している種のエネルギー量と栄養分析を行い、各種間でのエネルギー量の流れを明らかにすることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延防止措置が落ち着きつつあり、感染予防に配慮しつつ離島への渡航も可能になった。しかし、西表島を訪れる観光客の減少に伴う交通量の減少のためか、交通事故死亡個体は十分に収集することができなかった。また、これに伴い被食種のエネルギー量、炭素・窒素量分析測定のための資料収集ができなかった種がある。これまでに入手した交通事故死亡個体については、胃内容物の分析はほぼ完了し解析を進めている。しかし、西表島で資料を保管していた冷凍庫の故障により、多数の資料が分析に使用できなくなってしまった。このため、今後の研究の進め方の再検討も必要となり、事業期間延長承認申請を行い承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も可能な限り交通事故死体とエネルギー量と栄養分析用のサンプル収集を行い、分析をすすめる。各種の胃内容物分析の結果をまとめ、食性を量的に記述して論文として発表する予定である。また、各種の胃内容物分析の結果を取りまとめ、食物ネットワークを量的に構築する。
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