Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
真菌・細菌感染による活性酸素を介した核トランスグルタミナーゼ活性化/肝障害を評価するため、慢性肝障害モデルを構築し、肝組織を回収してRNAの抽出と組織プロックの作製を行った。RNAサンプルを用いて炎症、酸化ストレスや脂質代謝関連遁伝子の発現をPCRで調べた結果、高脂肪食の負荷によりマクロファ ージの炎症性選伝子Adgrelの発現増加が認められた。さらに、炎症と酸化ストレス関連遺伝子Agdrel、Nlrp3、Tnfα、Cd14、Tlr4、Nox2の発現を指標とし、高脂肪食の負荷によりLPSに対する感受性が高まる傾向が見られた。それに対し、抗炎症サイトカインⅠ110と脂質代謝関連遺伝子Srebplcの変化は見られなかった。一方、ビフィズス菌など善玉腸内細菌による肝保護作用を評価するため、アセトアミノフェン(APAP)過剰投与に伴う肝ミトコンドリア障害による酸化ストレス性急性肝障害マウスモデルを構築し、肝組織を回収、TUNEL染色により肝細胞死を評価した。細胞表面トランスグルタミナーゼが関与することが知られている肝障害を増悪させる主要因子であるTGF-βの活性化をリン酸化Smad3の免疫染色により評価した。その結果、APAP投与したマウスの肝組織において血漿カリクレイン(PLK)に依存するTGF-βの活性化反応の増加が見られ、酸化ストレスで増大した。PLK阻害剤投与によりAPAPによるTGF-βの活性化及び肝細胞死を改善した。
3: Progress in research has been slightly delayed.
上述のとおり、"ヒトではどのような微生物が同現象を引き起こすのか?またこの現象を抑える腸内細菌は存在するのか?"の評価に用いる2種類の動物モデルを作製できた。"菌を介したROSが上記現象を引き起こす分子機構と制御方法の解析"は、当初予想していたNrf2の関与があまりないことが判明したため、やや遅れている。
今年度確立した2種類の動物モデルを用いて、腸内細菌の危険度を知るために、病原性腸内細菌をはじめとした各種腸内細菌を尾静脈注射し、トランスグルタミナーゼの核局在・活性をビオチン化基質、ROSの産生を、蛍光プローブを用いて、それぞれモニターする。各菌種についてROS産生の有無とROSの種類、肝細胞核へのトランスグルタミナーゼ誘導能との関係を検証。菌を介したROSが上記現象を引き起こす分子機構と制御方法については、ROSを無毒化すると示唆されるサイトグロビンのノックアウトマウスを導入し、内在性ROSが蓄積しやすい特徴を持つ肝細胞(サイトグロビン ノックアウトマウスから初代培養にて取得)を用い、この細胞においてトランスグルタミナーゼの核局在が亢進するか確認、トランスグルタミナーゼの核局在に与える影響をはじめとして詳しい作用とその機構を解析する。さらに、最終年度は菌静注モデルで菌を介したROS刺激を受けた肝臓において、肝類洞血管を流れる一部の末梢血白血球核トランスグルタミナーゼ量が肝細胞同様に変動するかどうか、その増減が腸内細菌を介したROSによる肝細胞の核トランスグルタミナーゼ量のサロゲートマーカーとして利用可能かを、ビオチン化基質やROS検出蛍光プローブを用いて検証する。
All 2019 2018 Other
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 4 results) Presentation (13 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 6 results) Remarks (4 results)
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