Project/Area Number |
18K07077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
熊本 海生航 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 講師 (10469322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 文 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 講師 (90466483)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / 実験動物 / 疾患モデル / 腎臓 / 一次繊毛 / 嚢胞性腎疾患 / 嚢胞形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性嚢胞腎やネフロン癆といった嚢胞性腎疾患は、尿細管由来の嚢胞形成により腎機能の低下を招き腎不全になる例も多いが根治的治療方法はない。 尿細管由来の嚢胞形成は、一次繊毛長の増大によって促進されることが報告されている。一次繊毛の異常は、嚢胞性の腎疾患に共通して観察されるが、嚢胞形成にどのように寄与しているのかについて詳細は明らかではない。そこで昨年、一次繊毛の形態と長さから導き出した数理モデルから通常長さに比例して大きくなるはずの抗力が、変形した一次繊毛では低下する事を明らかにした。現在、これらの結果を踏まえ、これまでに報告されたメカニカルセンサーの形態について1. 力学的および2. 構造学的な点に着目して比較を行っている。 まず、力学的な変化について、近年、細胞レベルと組織レベルでの一次繊毛の反応がことなることが報告されている。そこで本実験では、より生体に近い組織レベルでの一次繊毛の反応を観察するために過剰に飲水させる実験系を用いて、一次繊毛に圧力を加えた。加える圧力は、数理モデルで導き出された式を元に導き出しWTとPCKで同一程度の効力が得られる程度にしたところ、一次繊毛長の低下と尿細管径の低下が観察された。 つぎに構造学的な変化について WTに比べてPCKの腎臓における一次繊毛は有意に長くねじれや、かぎ状の形態異常が多い。そこで繊毛内部の微小管構造について電子顕微鏡で観察した。その結果、WTにくらべてPCKラット腎臓の一次繊毛では一部のプロトフィラメントの束のみが伸長している可能性が示唆された。そこで、現在ダブレット微小管の構造と安定性に着目して研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特に2020年度に新型コロナによる影響で、業務が多忙で研究に割ける時間が劇減した影響が残っており巻き返せていない。教育も業務も最善を尽くしつつなんとか完全に巻き返したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進について、まず【変形した一次繊毛で起こる力学的な変化について】は、数理モデルの基づいた検証実験を行なった結果、一次繊毛長の低下と尿細管径の低下が観察されたので、結果を解析しつつ、論文化を試みる。 つぎに【変形した一次繊毛で起こる構造学的な変化について】は、電子顕微鏡観察の結果から一次繊毛の形態異常の原因として繊毛内部の微小管構造変化が示唆された。そこで、現在ダブレット微小管の構造と安定性に着目して研究を進めている。具体的には、ダブレット微小管を構成するA小管とB小管の内どちらが伸長しているのか明らかにする。つぎに、安定性について影響を及ぼす微小管の修飾状況を調べる。これによって一次繊毛長を調節する機構とシグナル伝達系に迫ることができると考えられる。
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