Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年,若年者の間でポータブル・オーディオ機器等の一層の普及が進み,騒音性難聴(いわゆる,イヤホン難聴)の増加が懸念されている。騒音性難聴の早期発見には,通常の8,000 Hzまでの純音聴力検査に加えて,さらに高い周波数(9,000-16,000 Hz)で測定する「拡張高周波聴力検査(extended high-frequency audiometry)」の適用が試みられてきた。しかし,騒音性難聴の早期発見に対するその検査の有効性の評価は,研究によって必ずしも一致していない。 令和5年度(第6年度)は,前年度に引き続き,拡張高周波領域の聴力と難聴を引き起こす種々のリスク要因との関係の分析に取り組んだ。すなわち,25名の若年健聴者を対象にすでに実施した,不要音を減衰させた新しい測定法で拡張高周波聴力検査の結果と,日々の生活習慣等に関する質問紙調査の回答結果との対応を分析した。その結果,定期的な楽器演奏経験の有無といった聴力に明らかに影響を及ぼすと予想される要因の他に,食事への意識,運動習慣の有無といった全身の健康に係る要因と拡張高周波聴力とのあいだに,統計的に有意な相関を確認することができた。その成果は,日本音響学会第150回研究発表会にて公表した。その後も若年健聴者を対象とした拡張高周波聴力検査を継続し,より確かな結論を導き出すべく測定データの蓄積を行っている。 以上の研究に加えて,イヤホン難聴の早期発見とリスク要因の同定に関する解説記事作成の依頼を受け,本研究課題における上記成果を引用する形で執筆し,掲載に至った。また,拡張高周波域を含む聴覚閾値の国際基準値と日本人聴力との関係を分析した論文1編を投稿し,掲載に至った。 その他,聴力検査法の規格を策定する国際標準化委員会(ISO/TC 43)会議に出席し,拡張高周波域の基準聴覚閾値に係る規格改訂の提案を行った。その結果,改訂国際規格の素案作成を開始することが認められた。
|