ユーザ間の通信が不要な分散セキュリティ技術に関する研究
Project/Area Number |
18K11304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60070:Information security-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
尾花 賢 法政大学, 情報科学部, 教授 (70633600)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マルチパーティ計算 / 非対話型プロトコル / 通信回数削減 / 不正防止 / 通信量削減 / 非対話型マルチパーティ計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
非対話型マルチパーティ計算(以下NIMPCと記す)の理論的,実用的発展に向けて,今年度は主に引き続き複数ビット(Lビット)出力の任意の関数に対する効率的な NIMPCのハードウェア実装について検討を行った.具体的には,考案した線形連立一次方程式に基づく方式の実装に向けて,方式で必要となる有限体上の乗算のFPGA実装を行った.
小型ロケットや小型人工衛星の通信においてユーザ間の通信を削減する方式に関しては,時刻情報を利用してリプレイ攻撃を防止する方式の提案を行った.
また,今年度も昨年度に引き続き,ユーザ間の通信を極力排除するための公開鍵暗号系の技術についても検討した.具体的には,サブリミナル・フリー署名と呼ばれる方式において,ユーザ間の通信を極力排除する方式の検討を行った.サブリミナル・フリー署名とは,デジタル署名を計算する署名者が署名の中に不正な情報を埋め込むことを防止できる署名方式である.従来,サブリミナル・フリー署名を実現するためには署名者に加え,署名に情報を埋め込むことを防止するためのユーザである監視者の存在を仮定し,監視者と署名者の間で複雑な通信を行うことによって署名への不正なデータ埋め込みを禁止していた.これに対し提案方式では,署名者と監視者の間の通信を簡略化するために完全準同型暗号を導入し,暗号化したまま署名の計算に必要なハッシュ値を計算することで,演算は複雑になるものの,ユーザ間の通信回数を従来方式に対して削減することに成功している.提案した方式は,署名の乱数部に不正な情報を埋め込むことを禁止可能な方式であり,署名者が監視者に気づかれずに不正な情報埋め込みに成功するまで何度も繰り返し署名生成を行う Fail-Stop チャネルと呼ばれる不正と,監視者が署名の中に不正に情報を埋め込む Cackoo チャネルと呼ばれる不正を共に防止可能なはじめての方式となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はNIMPCで必要になるFPGA実装を行い,提案したNIMPCの実用化を促進するとともに,昨年度から検討を行っている公開鍵系のプロトコルにおいてユーザ間の通信回数を削減する方式の提案を行い,ユーザ間の通信回数の少ない暗号プロトコルの種類を拡充することができた.以上のことから研究は順調に推移していると考えている.今後もユーザ間の通信が不要なプロトコル,あるいはユーザ間の通信回数を削減することが可能なプロトコルの拡充を行っていきたいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
非対話型マルチパーティ計算については,出力値の改竄を行ったユーザを特定することが可能な方式の実現可能性について検討を行うとともに,ユーザ間の通信が不要なプロトコルの拡充を行っていく予定である.また,秘密の部分情報を改竄し,復元される秘密を改竄する不正を,ユーザ間で通信を行わずに防止する秘密分散法に関して,近年,加算だけを利用した計算効率の良い方式が発表された.しかし調査の結果,その証明に不備があることが判明している.今後はこの方式の証明の不備が方式の安全性にどう影響を与えるかの検討も行っていく予定である.
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Report
(5 results)
Research Products
(21 results)