共分散行列に基づくパターン認識の理論化と顔追跡・認識融合系への適用
Project/Area Number |
18K11356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61010:Perceptual information processing-related
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Research Institution | Japan Women's University (2020-2022) Okayama University (2018-2019) |
Principal Investigator |
尺長 健 日本女子大学, 理学部, 研究員 (80284082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 剛史 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90362954)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 共分散行列 / 加重和制約付き加重方程式 / 白色化 / 射影係数 / 外れ値処理 / 照明適応 / 3次元モデル生成 / 姿勢・形状同時推定 / 標準射影係数 / パターン認識 / 理論化 / 顔追跡・認識融合系 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)加重和制約付き加重方程式を解析することで,汎用性のある認識系の構成法を検討してきた。まず,不足決定系において,相対距離バイアスの有効性を実験により検証するとともに,線形識別性の解析により根拠が与えた。次に,最適解が白色化後の内積に帰着できること,適応的次元選択との組合せの有効性を確認するとともに,統計的解析により,白色化後の外れ値処理の有効性を示した。また,実験により,相対距離バイアスや適応的次元選択では,部分空間の次元数により識別性能が大きく変動するのに対し,白色化後の外れ値処理では,次元数に関わらず大きな効果が得られることが確かめられた。さらに,昨年度、過剰決定系の最適解と白色化との関係を解析した結果,不足決定系とは異なる式変形になるものの,加重和制約が巧く作用することで最適解が白色化と関連付けられることが判り、今年度は過剰系と不足系の一元化について検討を進めた。また,白色化後の外れ値処理の効果を実験により確かめた。 (2)顔追跡・認識融合系への適用については,ワークステーション上での既存系の動作確認を終えている。また,動画像を用いた3次元顔モデル生成について,動画像上で姿勢・形状同時推定を行い,その結果を初期値として形状固定としたバッチ処理を用いることにより,形状推定精度の改善を実現できることを,2019年度の国際会議(IW-FCV)において論文で発表し,Best Paper Awardを受賞している。姿勢・形状同時推定による形状モデル生成が可能になると,形状モデルを用いた個人固有空間生成が自動的に行え,大量に形状モデルを収集できることで,現在は高々100名のデータから構成している仮想個人固有空間の精度を向上できると考えられる。これまでに,動画像による3次元形状モデル生成について検討した結果,姿勢に偏りがなければ十分な精度を実現できることが確認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論化については,前年度までに,射影係数の統計的安定性の利用,各種の外れ値対策の有効性を検証し,射影係数の取扱いに関して一定の成果があった。また,今年度の成果として過剰決定系においても最適解と白色化後の関係を明示できるなど、予想外の進展が見られた。これにより,照明適応を用いる場合については,不足決定系においても過剰決定系においても,白色化後の外れ値処理により,識別性能の大幅な向上が期待できる。 一方,照明適応を用いるためには,事前に照明変動を吸収できる個人固有空間を作成する必要がある。このための有望な方法として,動画像からの3次元顔形状モデル生成法を検討し,有効性を確認している。これらの成果を,昨年度,追跡・認識融合系に集約し,画像処理ワークステーション上で有効性を検証していく予定であったが,研究代表者の異動やコロナに関する社会的状況の影響で実験環境の整備,データ収集が遅れたことにより,集約に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)理論化に関しては,昨年度,過剰決定系加重方程式の最適解と白色化との関係が明らかになったことで,汎用性のある認識系構成法の確立に一歩近づいた。今後は,過剰決定系における白色化後の外れ値処理の有効性について実験的な検証を進めるとともに,不足決定系と過剰決定系の組合せ効果についても理論化を進める予定である。また,これまでの結果をまとめると,「数学的解析により,最適解と白色化を関連付けることにより,外れ値処理をデータ処理と組合わせることが可能になり,識別性能を大幅に改善できる」ということになる。この方法は,データサイエンスの重要な技法になる可能性があり,顔データ以外のパターン認識問題での有効性を検証していく。 (2)加重方程式の構成に利用する射影係数は,照明適応により求めるのが最善であるが,照明適応には,登録人物毎の個人固有空間(照明変動を含む画像から構成)が必要となる。一方,姿勢・形状同時推定による形状モデル生成が可能になると,形状モデルを用いた個人固有空間生成が自動的に行える。一方,大量に形状モデルを収集できることで,現在は高々100名のデータから構成している仮想個人固有空間を大量のデータから構成することも可能になると考えられるが,現状では動画像データの新規取得が難しいため,代替えの方法による集約に取り組む。 (3)対外発表・論文化については、今年度の実施ができなかったが、次年度に適切な形での発表を予定している。
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Report
(5 results)
Research Products
(5 results)