Project/Area Number |
18K11393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神代 充 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (30314967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 人間ーロボットシステム / 身体的インタラクション / 生活支援ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は身体的インタラクションとしての握手について,手部動作だけでなく,視線による注視位置の変更を含めた動作モデルの提案を行った.この動作モデルでは,ロボットの注視位置を最初は人間の顔とし,手部動作の開始後からは人間の手部を注視するように視線を下ろすものである.この様にロボットが注視位置を変更することで,人間に手部位置を確認していることを視覚的に提示でき,人間に安心感を与えるような握手動作が生成される.さらに,人間にロボットの視線を提示するための視線提示デバイスを備えた上肢ロボットに提案する動作モデルを適用し,人間に視線を提示しながら,握手が行えるロボットシステムの構築を行った.そして,このロボットシステムを用いた官能評価実験から,人間とロボットとの握手動作においても最初は人間の顔を注視し,手部同士を接近させる際には人間の手部を注視するような視線提示が好まれることが示された. また,人間同士での抱きかかえ動作について動作解析を行った.この動作解析では座っている人間に対して,接近し抱きかかえる動作を行う人間を対象として計測を行った.動作解析の結果から,抱きかかえ動作は,腰部動作,声かけ,手部動作の順に行っていることが示された.さらに,抱きかかえ動作における両腕の各関節や腰部での回転角や角速度パターンについても解析を行った.その結果,上肢の各関節に対して釣り鐘型と波形の角速度パターンを適用することで,人間の抱きかかえ動作における両手部の軌道を再現できることが示された.これらのことから,ロボットに人間との身体的リズムを同調させるようなタイミングを伴って人間と類似した上肢動作となる抱きかかえ動作を生成できることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに力の相互作用による身体的インタラクションの1つとして人間の手部を引っ張ったり,押したりする動作について,その動作特性などの解析を行った.さらに,この動作解析に基づいて人間を誘導するように手部を引っ張る動作を生成するための動作モデルの提案を行った.そして,この動作モデルを適用した車輪駆動型移動ロボットシステムを構築し,人間を案内するように歩行を誘導することが可能であった.このことから提案した動作モデルの有効性を示した.この様に,人間の身体的インタラクション特性を解析し,それを生活支援などの動作生成に適用できることを示している. 同様に,人間同士の握手動作解析に基づいて,人間に視線を提示しながら握手動作を生成する動作モデルの提案,およびそれを適用したロボットシステムの構築を行った.さらに,このロボットシステムを用いた官能評価実験から,人間と同様に手部動作のタイミングに合わせて注視位置を変更することが人間に好まれる動作の生成に重要であることが示された.また,抱きかかえ動作についても解析を行っている.人間同士の抱きかかえ動作では,腰部動作,声かけ,手部動作の順に動作を行っていることや,人間は上肢の各関節を釣り鐘型と波形の角速度パターンで動かすことで抱きかかえを行っていることが示された.そのため,これらの動作特性を動作生成に適用することで,人間の様な抱きかかえ動作をロボットに生成できることが示された. 以上のように,人間を案内するように歩行を誘導する動作や視線提示や人間の動作特性を考慮した人間に好まれる動作の生成など生活支援ロボットシステムの構築に必要となる基礎的な成果が得られていることから,令和2年度は研究目標をおおむね達成しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに視線を考慮した握手動作について解析し,その結果に基づいて注視位置の変更を含めた動作モデルの提案を行った.さらに,その動作モデルを適用した握手ロボットシステムによる官能評価実験から,人間に好まれるロボットの動作特性について検討を行ってきた.そこで,これまでに得られた握手動作での解析結果と,現在,解析を進めている手渡し動作とを比較をすることで,挨拶としての握手と生活支援としての手渡しにおける動作特性の違いについて検討する予定である. 一方で,抱きかかえ動作については,これまでに腰部動作,手部動作,声かけに着目して,解析を行い,人間の様な上肢動作となる抱きかかえ動作を生成できることが示された.そこで,今後はこの動作解析に基づいて,抱きかかえ動作をロボットに生成するための動作モデルの提案を行う.さらに,提案する動作モデルを両腕のロボットシステムに適用し,抱きかかえ動作を生成するロボットシステムを構築する.このロボットシステムでは人間の抱きかかえ動作と類似した動作により,人間を抱きかかえられるようにする.そして,このロボットシステムを用いた官能評価実験を行い,抱きかかえ動作における人間に好まれるロボットの動作特性について解析する.また,評価実験により得られた人間に好まれた動作特性とこれまでに研究を行ってきたハグでの人間に好まれる動作特性との比較を行い,身体的インタラクション特性の違いについても,検討を進めていく. 今後はこれまでの研究成果を応用することで人間との身体的リズムの同調を促進させるような動作を生成する生活支援ロボットシステムの開発を進めていく予定である.また,得られた研究成果については原著論文や国際会議での発表を通して,公表していく予定である.
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