What Role Does Language Aptitude Play in Vocabulary Learning Strategies
Project/Area Number |
18K12436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Shitennoji University (2019-2022) University of East Asia (2018) |
Principal Investigator |
麻生 迪子 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (90625188)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 中国人日本語学習者 / 多義語学習 / 個人差 / 言語適性 / ワーキングメモリー / 未知語意味推測 / 中国人母語話者 / 意味推測ストラテジー / 辞書検索ストラテジー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、前年度の予備調査によって選定した語彙に基づき、ワーキングメモリー調査と意味推測課題を実施した。ただ、コロナウィルス感染症の影響で中国に入国ができなかったため、オンラインですべての調査を実施した。 調査に際し、予備調査の結果からいくつか新規調査材料を作成した。対象語彙であるが、予備調査において推測難易度が高いと評定された語彙を対象語彙とした。また、意味推測課題については、「文脈を利用した意味推測」に焦点をあてた。予備調査では、1文レベルにおける文脈を利用した意味推測を検討してきたが、文脈を適切に利用できない調査協力者も少なくないことから、今回の調査では読解文中における意味推測課題を実施した。旧日本語能力試験2級レベルの読解文に、未知語を含ませ、内容の理解とともにその意味を母語で問うた。ワーキングメモリー測定課題は予備調査時に使用したものを採用した。 調査では、オンラインで実施したため、オンラインサイト作成業者に調査サイトを依頼した。また、ワーキングメモリテストはビデオ会議システムを持ちいて実施したが、ネット環境などの問題が生じぬよう調査協力者と打ち合わせを行った。結果、今年度は28名の中国在住上級中国人日本語学習者からデータを収集することができた。 最終年度である次年度は、ワーキングメモリテストの文字起こしとともに意味推測課題結果の分析を行う予定である。本研究課題の目的は、意味推測と「個人差」の関わりであるが、意味推測の仕方に何らかの「個人差」が関わっているのかを明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
勤務校の校務とともに家庭の事情により、研究に十分に時間を割くことができなった。また、新型コロナウィルス感染症の影響で調査方法の変更を余儀なくされ、その変更に対応するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は採取したデータの分析に力を注ぐ予定である。音声データの文字起こしとともに、意味推測課題の採点をおこなわなければならない。調査回答者には、中国語で意味推測課題に回答してもらったため、中国語回答の日本語翻訳が急務である。 また、本調査はすべてオンラインで実施したため、調査データの信頼性の論証を行うことが一つの課題でもある。この課題に対しては、先行研究を熟読して臨むとともにクロンバックのアルファ係数といった調査の信頼性を示す数値を算出し、対応したい。 次に、結果の予測であるが、調査をしてみて、「意味推測の成否」と「ワーキングメモリ」の大小にはあまり関わりをあるようには感じられなかった。なぜ、ワーキングメモリと意味推測の成否が関わりがないのか、文献などから丁寧に考察論じる必要がある。いくつかの先行研究では、第二言語学習者の第二言語習熟度が高まるとワーキングメモリを多く使用しないで読解作業に取り組むということが報告されている。本調査の結果もこの報告が当てはまるのではないかと推測した。そうであるならば、意味推測という作業は「個人差」にかかわりなく、学習者の言語学習を支える作業であるといえる。どのようなストラテジーや手がかり条件が未知語の正しい意味推測をもたらすのかより深く考察する必要があると考えている。ワーキングメモリの大小とストラテジーの使用といった質的な観点からも検討する必要があるだろう。
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Report
(5 results)
Research Products
(2 results)