Project/Area Number |
18K13008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
崔 仙姫 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (70809029)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | コミュニティケア / 高齢者福祉 / 比較研究 / 国際比較 / 地域福祉 / 地域包括ケア / エイジングインコミュニティ / 高齢者ケア / アジア研究 / Community Care / Ageing in Care / Ageing in Place / Ageing in Community |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アジア諸国(日本、韓国、シンガポール、香港)における高齢者ケアをこれまでの日・韓比較研究から得られた「制度の持続可能性」ということに焦点を当てて比較分析し、シンガポール・香港の「ageing in community」の経験を学び、日・韓にて実現可能なものとして発展させる方法を探ることに目的がある。その際に、コミュニティを次善の策として取らず、高齢者ケアにおいてコミュニティが核心的な担い手として役割する方法を探る。 本研究の課題は大きく四つ挙げられる。第1に、コミュニティと関連する用語の概念を明確にする。 第2に、4か国(日本、韓国、シンガポール、香港)における諸高齢者ケア政策・制度を主にフォーマルとインフォマールサービスに分け検討する。第3に、各国の制度の異同が明らかになった上で、4か国の比較研究の枠を類型化する。第4に、コミュニティの実践活動についての実証的に検討する。これらの点を踏まえ、本研究では日韓だけでなく、アジアの多国間分析を通じて、それらの国・地域の類似性と異質性を明らかにする。制度の持続可能性の問題をageing in communityの視点に着目するこのアプローチは、先行国(イギリス)と東アジアの諸国とのあいだの比較だけでなく、東南アジア域内の多様性をも探ることになる。 以上の研究課題を達成することによって、従来の比較福祉研究の偏狭性を是正するとともに、西欧と東アジア及び東南アジアの経験を同時に捕捉しうる新しいアプローチの開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、大きく理論研究、現状分析、実証研究に分けて実施していく予定である。これらの点を明らかにする本研究の基礎となる作業を過去6か月間行った。本研究は、2018年度から2021年度に実施される予定であったが、出産・育児のため2018年度9月から2021年度3月まで研究を延期後、再開している。 本研究では日韓だけでなく、アジアの多国間分析を通じて、それらの国・地域の類似性と異質性を明らかにする。制度の持続可能性の問題をageing in communityの視点に着目する。このアプローチは、先行国(イギリス)と東アジアの諸国(日本、韓国、香港)とのあいだの比較だけでなく、東南アジア域内(シンガポール)の多様性をも探ることを目指していた。しかしながら、COVID19の影響で予定であった海外でのインタビュー調査が出来なかったため、理論的研究を中心に行った。なお、イギリスを参照し、日本、韓国、シンガポール、香港の現状を検証する研究を計画したが、海外での調査が厳しい状況を踏まえ、イギリスの研究は文献研究で行うこととする。 まず「ageing in community」と「community care」の理論的検討を行い、高齢者ケア関連資料収集や現状分析を行なった。コミュニティケアの概念は多様な国で多様な用語で使われており、同様の用語でもその意味が合致しない場合が多い。しかしながら、コミュニティケアは日本、韓国のみならず今後アジア諸国において高齢者問題を解決する一つの重要なキーとなることを鑑み、共通の概念を正立させる必要がある。さらに、日本と韓国の関連資料の現状分析を行なった。3か国における諸高齢者ケア政策・制度を2次データを用い、統計的に検証する作業を準備している。それらの結果については、論文執筆(2023年9月投稿予定)を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、コミュニティの実践活動についての実証的に検討する。コロナ禍のため実施できなかったシンガポールと韓国の現状分析を実施する予定である。各国の現状を明らかにするためには、2次データのみでは限界があるため、多様な分野の専門家や利用者に対してインタビュー調査を実施する。現地調査、主にインタビュー調査を実施し、各国の高齢者におけるコミュニティケアの現状をあきらきにする。 2024年度は、各国の制度の異同が明らかになった上で、4か国の比較研究の枠を類型化する。高齢化の問題とその対策に着目するアプローチは、主にアジア域内の多様性を探ることになる。例えば日本と韓国の場合は、類似の問題や対策を持っている点では共通性を持ちながらも、両国の間にはタイムラグが存在しており、それに起因する政策理念のあり方や制度形成のテンポが、社会支出の水準や福祉政策の包括性また福祉供給をめぐる諸主体の役割に構造的相違をもたらしている。さらに、シンガポールと香港においても人口学的特性、高齢化による対応において共通性を持つものの、福祉政策の方向性については差が存在する。これらの点から、今後比較福祉研究を行う際、類型化された枠を提供することで貢献できる。 これらの研究結果は、国内・外の学会・研究会での中間報告及び論文執筆を予定している。
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