Project/Area Number |
18K13353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
関口 真有 北海道医療大学, 心理科学部, 助教 (30813753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 問題解決スキル / 糖尿病 / 問題解決療法 / 自己管理行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己管理行動を高める心理的支援の一つに糖尿病に対する問題解決療法が挙げられる。米国糖尿病教育者協会でも,糖尿病を管理する上で習得すべきことの一つに「問題解決」が含まれている(Mulcahy et al., 2003)。 海外の先行研究(Hill-Briggs et al.,2007)を参考に、①病気を抱えながら生活する上で困難なこと、②糖尿病の自己管理、療養に必要なこと実施する中で生じる問題への対処、についてオンライン調査を行い、内容についてグループ化を行った。 その結果、①に関して、47名から52項目の回答が得られた。「特にない」など、問題がないと回答したのは9名であった。残る43項目の回答を検討し、類似した回答をまとめてグループ化を行った。6つのグループのうち、回答者数が4名以上のグループは3つであった。この3つのグループについて “食事制限” “運動実施・継続”“服薬アドヒアランス”と命名した。 ②に関しては、文意がとれない1名を除き、22名の回答について検討を行った。4つのグループと5つの個別回答に分類された。これらのグループを“具体的な食事制限の方法” “我慢をすること”“医者への相談”“低血糖を回避する”と命名した。運動実施・継続の難しさ、服薬アドヒアランスの問題を挙げたものが9名いたが、対処についてのグループ化はできなかった。 本研究の結果、困難な場面については、具体的な行動が挙げられており、困った際には、医師に相談するや我慢というのが共通している可能性が考えられた。糖尿病治療においては、病状や状況に応じた個別性の対応が必要となる一方で、今回の対象者の多くが直面している、食事や運動、服薬といった具体的な場面での問題解決の実際を明らかにすることは、糖尿病教育を行う場面などで用いることが可能な問題解決プログラムの作成において有益な情報となる可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産休育休により、研究を中断しており、昨年9月より研究を再開しているが、日常業務と育児の両立により、研究に割く時間の捻出に苦慮している。今後は、オンライン調査を利用するなど、実現可能な方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、2型糖尿病患者を対象とした問題解決プログラムを作成し、効果検証を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大、申請者の産休育休により、遅れている状況である。そのため、今後は引き続き、2型糖尿病患者を対象とした問題解決プログラムを作成するために必要な情報として、2型糖尿病患者の抱える問題とその解決法に関する情報を収集する。本研究の参加者はHbA1Cが高い人も多かった。これまでの質的研究の結果をもとに、さらにオンライン調査を実施し、糖尿病管理が適切に実施できていない方だけでなく、糖尿病管理が適切に実施できている方を対象に含め検討を行う。また、問題となる行動/場面は患者により多種多様であるため、具体的な行動や場面を想定し、工夫していることを検討する。本研究で明らかとなった「医師に相談する」「ない」「我慢する」といった対処について、詳細な検討を行うために質問の仕方を工夫する。これらの行動が適切な対処につながっている場合もあると考えられるが、結果的にはQOLの低下や適切な療養行動につながっていない可能性も考えられる。これまでの研究では、詳細な内容については明らかにできなったため、調査を行い、検討することが必要であると考えられる。得られた結果をもとに、糖尿病教育で用いることが可能な資料の作成を目指していく予定である。例えば、多くの患者が遭遇する問題に対して、糖尿病管理が適切に実施できている方がどのように問題解決しているのかを情報提供する資料などを想定している。
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