Toward a radical extension of matroidal optimization theory
Project/Area Number |
18K13451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12030:Basic mathematics-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
喜多 奈々緒 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 助教 (10738082)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 離散数学 / グラフ理論 / 組合せ最適化 / 標準分解 / パリティ因子 / T-ジョイン / 配達夫問題 / 多項式時間可解性 / アルゴリズム / グラフ / ネットワーク / 離散最適化 / マッチング理論 / 離散数理 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度には,2019 年度より注力している,グラフのパリティ因子(T-ジョイン)の研究に取り組み成果を挙げた.グラフの最小パリティ因子問題は,多項式時間可解性の象徴として位置づけられる最大マッチング問題の亜種的一般化に相当する組合せ最適化問題である.最小パリティ因子問題は最大マッチング問題に比してはるかに高い記述力を持ちながらも代表的な多項式時間可解問題である.したがってパリティ因子は,マッチングを核とした多項式時間可解性の本質を明らかにする上で重要な対象である. パリティ因子はマッチングよりも複雑な構造を持っており,その基礎的知見についても未知の部分が多い.本研究ではパリティ因子に関する基礎的知見を整備するため,パリティ因子の標準分解理論などに取り組み成果を挙げている. 当該年度にはまず前年度の後半に得られていた成果を2本の論文にまとめ,これを arXiv などで公開するとともにさらに一部をジャーナルに投稿した. さらに当該年度には,最小パリティ因子問題の双対最適解の構造解明に向けて,二部グラフトのさらなる標準構造の研究に取り組み成果を挙げた.双対性は最適化理論の中核をなす概念であり,とくに双対最適解がなす束構造は多項式時間可解性を横断的に考察する上で重要である.これを明らかにするために,本研究ではまず,パリティ因子研究における基礎的な道具であるSeboの距離定理が与える距離成分について考察し新たな知見を得た.Seboの距離定理は,グラフにおいて任意に固定された1点からの距離に応じてグラフをいくつかの成分に分割し,それらの性質について記述したものである.本研究では距離成分の内部構造が,パリティ因子の一般化 Kotzig-Lovasz 標準分解(Kita 2017)を用いて標準的に記述されることを明らかにした.この成果についてはすでに論文にまとめ arXiv にて公開した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組合せ最適化問題の多項式時間可解性を考察する上で重要な問題であり,なおかつ古典的でありながら未知の部分が多い最小パリティ因子問題について,その理論基礎に相当する知見を得ることに成功した.最小パリティ因子問題は,当初の研究計画より重要な研究課題の一つとして位置づけられていたが,2019 から 2020年度にかけての研究によって,当初予想されていたよりもはるかに豊かで複雑な性質を持つ,非常に興味深い研究対象であることが明らかになっていた.これを受けて 2021 年度はパリティ因子の研究に注力し,単著論文 3 本の執筆と公開に至った.うち 2 本は前年度に得られた成果を執筆したものであるが,1 本は当該年度の後半に得られた成果である. 当該年度には,長年の未解決問題である,パリティ因子の双対最適解の束論的特徴付けを得ることを目指し,これを導出するための計画を立て,着実に進歩を得た.既に執筆および公開した論文では,Sebo の距離定理が記述する構造が持つ標準性について明らかにした.これにより,双対最適解の束論的構造について見通しが得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,パリティ因子理論における双対性の解明を,主要な研究課題とし,これに注力するとともに,次数制約因子あるいは双向グラフの標準分解理論あるいは連結度理論にも取り組む予定である. まず,パリティ因子理論については,まずこれまでの研究で明らかになった知見を用いることによって,二部グラフにおける最小パリティ因子問題の双対最適解に束論的特徴付けを与える.パリティ因子については,ある帰着により,二部グラフにおける成果が一般のグラフにおいても本質的であることが知られている.したがって二部グラフにおいてこの課題を解決することによって一般のグラフにおける相当する成果が容易に得られることが期待される. パリティ因子に関する当該課題が解決されたのちは,次数制約因子あるいは双向グラフの研究を再開し,これらに関する標準分解の導出などの課題に取り組む.
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Report
(4 results)
Research Products
(16 results)