Unconventional electronic ordering induced by local correlation effects in multiorbital systems
Project/Area Number |
18K13490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
星野 晋太郎 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90748394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 非従来型電子秩序 / 軌道秩序 / フラーレン / 電子秩序 / 強相関電子系 / 多軌道系 / 動的平均場理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
有益な物質機能を設計する上で電子相関から生じる磁気・軌道・多極子や超伝導物性を理解することは重要課題である。そのためには、現実物質に即した電子構造に基づいた理論によって強相関電子系の振る舞いを議論することが必要である。特に本研究では電子系の秩序化に注目する。通常、磁性や軌道整列のような電子系の秩序化においては、局所的な1体の物理量で秩序変数を記述することができる。一方、このような従来の考え方では理解することができない電子秩序(非従来型電子秩序)も存在している。本研究は現実物質に即して、非従来型電子秩序の特徴的物性を明らかにすることを目的とする。 フラーレン超伝導体では、実験的に異常金属状態(ヤーン・テラー金属)の存在が指摘されている。先行研究では、フラーレンの特徴を捉えたモデル系において、非従来型の軌道秩序が実現していることが提案された。本研究ではさらにフラーレン化合物のバンド構造を反映させた上でこの軌道秩序状態を考慮し、秩序変数として時空非一様なものを考える必要性があることを明らかにした。さらに輸送係数の計算を実行することにより、(1)空間非一様な秩序変数が伝導度の非等方性に影響し、元来3次元的な振る舞いを示すものを2次元的に変えること、(2)時間非一様な秩序変数(=周波数依存性を持つ)のために光学伝導度の異方性が周波数に強く依存することを明らかにした。 さらに、フラーレン物質の物理に関連して研究対象は広がりを見せており、非平衡状態の研究も進展した。実験において光励起することにより、転移温度よりも高温側(T>Tc)で超伝導的振る舞いが観測されている。このことに動機づけられ、T>Tcにおける光励起系で超伝導揺らぎの特徴的振る舞いをGL理論に基づいて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、これまでモデル系で理解が進展してきたフラーレン化合物におけるヤーン・テラー金属(1年目)と多軌道系特有のスピン三重項超伝導(1・2年目)について、現実的なバンド構造に基づいて議論することを掲げた。前者については実績概要で記述したようにその輸送特性を明らかにできており、さらに本フラーレン系を念頭に置いた光励起系の研究にも広がっている。後者のスピン三重項超伝導についても、ルテニウム酸化物を念頭において、多軌道系特有の応答を議論するための見通しを立てることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
多軌道系特有のスピン三重項超伝導について、ルテニウム酸化物の現実的なバンド構造を考慮して応答関数などの物理量を議論する。相関効果を扱うために動的平均場理論を用いた計算や、低エネルギーを記述する有効ハミルトニアンを用いた計算によって超伝導の発現可能性や特徴的応答を調べる。 また、重い電子系特有の非従来型電子秩序の実現可能性およびその応答特性を、PrやU化合物の現実的な伝導バンド構造を用いて調べる。また、重い電子系とフラーレン系の非従来型電子秩序とのつながりについても議論する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)