トランスジェンダーのメンタルヘルスにおける身体・心理・社会の寄与および相互作用
Project/Area Number |
18K18291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正岡 美麻 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (60794998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2018: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | トランスジェンダー / メンタルヘルス / 性別違和 / ホルモン投与 / 性別適合手術 / 性別不合 / 身体・心理・社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度新たに計画した、近年の社会的状況の変化の程度を示す関連協会・連盟に対しての質問紙研究は、特に競技スポーツに着目した調査票作成を終え、本トピックの専門家と送付先の協議を行っている段階である。 元々若年のピアサポートグループ等で実施を予定していた質的研究につき、まず一度トランスジェンダーに限定しない、社会的背景にマイノリティ性を有する青年期の大学構成員(学生)を対象とし、そのメンタルヘルスやQOLの向上に寄与するかかわりを探るケーススタディを行った。 他、戸籍の性別変更に関して、従来の法律の要件が最高裁判所で違憲判決になるなど、性別移行に関する社会的な状況はさらに大きく変動している。新型コロナウィルス感染症の影響で一度実施を見送ったクリニカルベースでの量的研究を再度行うことも視野に、より近年のトランスジェンダーを取り巻く状況を適切に把握して調査内容を再設計できるよう、性別違和に対応する医療機関での臨床場面への陪席などを行っている。 さらに引き続き、すでに収集されたデータ(79名の音声に関する横断研究、75名の心理面の包括的な聴取を行った横断研究、11名の包括的縦断研究のデータ)を見直しながら、そのメンタルヘルスについて社会的状況を切り口に含めて再分析の継続を試みている。解析時のデータの統制のために補足的に収集していたプロフィール等の社会的状況についての因子分析、また一つの身体治療の結果に留まらない、広いトランスジェンダーのメンタルヘルスの特性、その要因について明らかにするため、「ホルモン投与者内・ホルモン非投与者内・全体のバラエティ」「経時変化の個人差」の視点から捉え直すための再分析を行い、これにより「社会的状況・特性」を含めたトランスジェンダーのメンタルヘルスに寄与する因子を抽出することを目的としてきたが、因子が多様であり、現在も解析・解釈について検討を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度計画した、従来データと異なるアプローチでの質問紙研究は、ほぼ準備を終え、調査票配布を控えている段階である。 ピアサポートグループ(自助団体)を対象にした質的研究は、対象を変更しつつ、「社会的背景にマイノリティ性を有する青年のメンタルヘルス」に寄与するかかわりという切り口を活かして実施した。 新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見送っていた医療機関ベースの量的研究を再度検討しており、従来データの再解析はそれ単独で結果をまとめることにかなり難航しているが、新たな医療機関での量的研究データとの比較で、社会的・環境的影響が強い要素と10年スパンでの時代の変化を問わず変動しにくい要素とがよりクリアになることも期待される。 初期の予定からは遅れるものの、前述のような一定の研究成果は上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
関連協会・連盟に対しての質問紙研究は今年度前半に調査票の配布と回収を終え、後半にはデータ解析を終えて結果をまとめる。 質的研究に関しては、今年度も引き続き、トランスジェンダー、ピアサポートグループの会合という枠に限定せず、「社会的背景にマイノリティ性を有する青年のメンタルヘルス」に寄与する因子やかかわりを明らかにしていく形で数例行う。この取り組みの中で、様々なSOGI(性的指向と性同一性)のあり方の考察や、トランスジェンダーを含むセクシュアルマイノリティのケーススタディも行うことを目指す。 クリニックベースでの量的研究は可能であれば年度前半で調査項目などを再検討の上、後半に実施し、従来データとの比較などのデータ解析も行えるようにしたい。
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Report
(6 results)
Research Products
(4 results)
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[Book] スポーツ精神医学2018
Author(s)
正岡美麻
Total Pages
5
Publisher
診断と治療社
ISBN
9784787823571
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