漢籍利用者の研究行動の解明と利用者タスクに基づく目録作成・評価枠組みの開発
Project/Area Number |
18K18329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90020:Library and information science, humanistic and social informatics-related
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Research Institution | Japan Women's University (2020-2022) Keio University (2018-2019) |
Principal Investigator |
木村 麻衣子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (30814024)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 利用者タスク / エレメント / 概念モデル / 漢籍 / 漢籍目録 / 書誌データ / ユースケース / アクティビティ図 / 情報行動 / 目録規則 / 利用行動 / 利用者行動 / メタデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,これまでに実施したインタビュー調査の結果を再分析し,前年度に実施したユースケース作成とは異なる方法で,漢籍の利用者タスクを改めて抽出するとともに,漢籍目録に記録すべきエレメントを利用者タスクと結びつけて抽出した(研究実施計画のB)の続きという位置づけである)。その結果を査読付き原著論文1本に発表した。この過程で,ユースケースから利用者タスクを導く方法も試行したため,2つの方法の得失を別の論文にまとめた。 さらに,研究実施計画のE)に基づき,抽出したエレメントを用いて,図書館や専門機関が運営している実際の漢籍目録データに記録されているエレメントが,どの利用者タスクをどの程度満たしているのかを評価することを試みた。研究実施計画のD)で予想していた通り,この過程で,インタビュー調査結果には出現しなかったエレメントが発見された。これらのエレメントと利用者タスクとのマッピングを行うために,2名の研究者に対する追加のインタビュー調査を実施した。漢籍目録データの評価を通じて,利用者タスクとエレメントのマッピングの,評価枠組みとしての有効性を検証した。今回の検証では,複数の漢籍目録データの間で,満たしている利用者タスク数に大きな差が出なかったことから,エレメントの数の多さや詳細度を,本研究で導いた「利用者タスク」の枠組みでは評価しきれていない可能性が示唆されたが,実体別のエレメント数の集計から,各データベースの特徴を捉えることができた。 一連の分析の前提として用いる,漢籍の目録世界を実体・属性・関連によってモデル化したドメインモデルは前年度の論文執筆時に検討済であるが,2022年度にも再検討を行った。特にこのドメインモデルの元となったIFLA図書館参照モデルで定義される実体「著作」や「個別資料」を漢籍ではどのように考えるべきか引き続き検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画のA)からE)までを一通り終えることができた。ただし,最後のE)については,その結果を学会発表したのみで,論文執筆には至っていない。一方,漢籍の目録世界のドメインモデルを策定・再検討したことは,当初の研究実施計画以上の進展であったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画E)の最終段階として,2023年度中に論文を執筆し海外の英文誌に投稿する予定である。論文では,学会発表時に行ったようなデータベース単位での評価ではなく,個別の書誌データ単位での評価を試みることと,評価の際にエレメントと利用者タスクの対応づけをより丁寧に行うことを試みる予定である。漢籍の目録世界のドメインモデルの中でも重要な実体である「著作」を目録中でどのように表現するかについても検討中である。「著作」は漢籍に限った実体ではないため,一般的な目録世界における「著作」の表現について,まずは現行目録法上の問題点を,2023年度中に学会発表する予定である。
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Report
(5 results)
Research Products
(21 results)