キリスト教主義学校から見る日本人の寛容と洋化-ステークホルダーらの期待と文化資本
Project/Area Number |
18K18590
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
後藤 嘉宏 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50272208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畑 裕嗣 明治大学, 文学部, 専任教授 (10176977)
千 錫烈 関東学院大学, 社会学部, 教授 (10584253)
照山 絢子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (10745590)
辻 泰明 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30767421)
藤谷 道夫 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授 (50212189)
片山 ふみ 聖徳大学, 文学部, 准教授 (80507864)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | キリスト教主義学校 / トリプルな信仰 / キリスト教式結婚式 / ジェンダーバイアス / 「不寛容なものへの不寛容」 / 設立目的の推定 / 生徒・学生イメージ / 系列・付属校出身とそれら以外 / 寛容 / 女性皇族 / 徳育 / 使命としてのミッション / 体系性 / 女子バイアス / ミッション / 学校選択理由 / 情操教育 / 私立小中学校 / 社会的使命 / 同調者(シンパサイザー) |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は本研究の前年度までの成果をJapan Institutional Gatewayに投稿し、また2019年度の我々のウェブモニター調査が東京・神奈川の若年層(15~29歳)対象のものであったので、より年齢層を高く40~59歳と設定し、東京・神奈川の全域ではなく東京23区並びに政令指定都市にのみ絞った形で、ウェブモニター調査を実施した。 まず上記投稿草稿の概要を記す。「キリスト教主義学校が一定の人気を誇るにもかかわらず、日本のクリスチャンは日本の人口の1.6%しかいない。我々はこのことのギャップを探ろうとしている。そこで2020年1月に東京都・神奈川県在住の15~29歳を対象としたウェブモニター調査を行った。対象者にはキリスト教主義学校通学経験者、それ以外の関与者、非関与者を含み、キリスト教主義学校関与度による意識の相違を測ろうとした。井上章一ほかが示した、トリプルな信仰という着想に焦点を当てた。仏教や神道は洗礼のような明確なプロセスを要さないので、双方をダブルに信仰する者も日本には多いが、キリスト教は洗礼を要する。洗礼を抜きに考えると多くの日本人は実質キリスト教も含めたトリプルな信仰をしている。その証拠がキリスト教主義学校の隆盛であり、クリスマスの受容であり、キリスト教式結婚式の人気であるという。この井上らの考え方は、日本でキリスト教は根づかなかったという通説と対立する。主要な設問とキリスト教主義学校関与度とのクロス集計結果を、インタビュー調査の結果で補うことで、基本的にキリスト教主義学校に通った者の方が、このようなトリプルな信仰に相当する意識を持っていることが分かった」。 次にウェブモニター調査の方は2019年度調査が先行研究と一部懸絶する結果となった原因が、調査対象者が若年層に限ったためと思い、実施した。調査は回答者が700になった時点で打ち止めとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Japan Institutional Gateway(旧称・筑波ゲートウェイ)に投稿し、その投稿原稿を基にF1000Researchが版下を作成し、それを投稿者が2回校正すれば、まずは無査読論文として掲載される。さらに、そのあと査読者中2名以上の掲載可の許可が下りた時点で、査読付き論文としてオーソライズされる仕組みである。本研究の2019のウェブモニター調査を中心とした論文草稿だけでも通常の査読論文3本分の長さになるので、成果投稿先探しに苦労し、Japan Institutional Gatewayを投稿先として想定することにした。 予算執行上の関係から2022年12月下旬には投稿を済ませた。当然F1000Researchが版下作成及び投稿者側の一回の校正は年度内に終了し、年度内の査読論文化がたとえ厳しくとも、少なくとも無査読論文としては今年度の業績として書けることを我々は期待していた。 しかし2月に研究代表者で本草稿の筆頭著者の後藤が病を得て、2023年度4月までにわたる入院を余儀なくされ、研究分担者片山に後の用務を委ねつつも校正等の作業は当初の予定よりも大幅に遅れた。 というのもこの作業と併行して、ウェブモニター調査の企画・立案を行っており、こちらの作業も研究代表者後藤は研究分担者片山に取り纏め役を委ねていて、こちらの方は、3月31日までに票の回収と集計結果の納品を終わらせる必要があったからである。よって2019年度調査と2022年度調査との結果の比較作業も2022年度には手つかずの状態にある。 過去の本研究に割くエフォートよりも遥かに多くの労力を2022年度に、研究代表者後藤は割くことはできたのは事実であるが、病を得て、Japan Institutional Gatewayへの投稿も、2022年版のウェブモニター調査も、双方共に中途半端な状態に留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
幸い研究代表者は退院できたので、【現在までの進捗状況】に記した二点、①Japan Institutional Gatewayの投稿論文を査読論文にすること、及び②2019年度の若年層を対象としたウェブモニター調査と、2022年度の40~50代という、キリスト教主義学校通学者の親世代調査を比較すること、並びに③2022年度調査単独での分析を深めること、これらの三点にまずとりかかりたい。 あわせて、キリスト教主義学校関係者へのインタビューやキリスト教主義学校関連文献の分析が不充分であるので、それらの充実にも努めたい。
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Report
(5 results)
Research Products
(54 results)