Project/Area Number |
18KK0044
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浦川 邦夫 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90452482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 さやか 京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (30780754)
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
橘木 俊詔 京都女子大学, その他, 客員教授 (70112000)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2019: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 格差 / 貧困 / 再分配 / 格差感 / 社会規範 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本研究で実施・収集した「格差と生活環境に関するアンケート」の分析作業を引き続き進めてきた。学術論文としては、Li, Urakawa and Suga (2023)、Wang, Urakawa and Anegawa (2022)の論文が刊行され、Fan and Urakawa (2022)、浦川 (2023)などの論文が査読審査中である。 Li, Urakawa and Suga (2023)では、ジェンダー規範が女性の労働供給に与える影響について、日本と米国の個票データを用いた分析を行った。計量分析では、既婚女性の労働供給の意思決定に付随する自己選択(Self-selection)の問題に対応するため、ヘックマンの二段階推定を応用した分析手法を適用している。分析の結果、日本ではジェンダー規範の影響による女性の労働供給の縮小が一定程度確認されたが米国では有意な効果が確認されなかった。また、Fan and Urakawa (2022)では、地域のソーシャル・キャピタルや本人の向社会的行動と主観的貧困との関係を2021年に個票データをもとに分析し、社会参画のレベルが高い人々は一般に主観的貧困率が低い傾向が確認されることを示した。また、浦川 (2023)は、公共部門の再分配政策を支える社会的価値観について概念上の整理を行い、日本や各国の特徴を先行研究や本アンケート調査の結果に基づいて位置づける作業を行っている。 研究報告については、研究代表者の浦川は、日本応用経済学会(熊本大学)に参加し、2本の論文報告(Fan, Xiao氏、虞尤楠氏との共著)を行った。また、医療経済学会第17回研究大会のシンポジウムで、「生活時間の貧困と健康に関するサーベイ」を報告し、厚生労働省の第27回厚生政策セミナーで「我が国における住宅困窮の広がり」についてパネリストとして報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、2021年度に実施した大規模アンケート調査の分析作業を進めてきた。 研究については、Li, Urakawa and Suga (2023)、Wang, Urakawa and Anegawa (2022)などの論文が刊行され、Fan and Urakawa (2022)が査読審査中である。研究報告としては、"Impact of Social Capital and Prosocial Behaviors on Subjective Poverty: Evidence from Japan"(Fan, Xiao氏との共著)を日本応用経済学会(2022年度春季大会)で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン会議や国内外の学会・研究会報告により、研究分担者・海外研究協力者との研究交流を行い、今年度中に当初の研究計画を完了できるように努める。 また、2020年度に実施したアンケート調査の調査対象者に対して、追跡調査を行い、社会経済環境の変化が主観的厚生や社会的価値観とどのように影響しているか、計量分析の手法を用いて抽出する。 地域の生活環境や社会規範が人々の労働供給、家庭生活、主観的厚生とどのように関連しているかを扱った研究成果の一部は、2023年度に専門書として刊行を予定している。
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