Project/Area Number |
18KK0210
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 45:Biology at organismal to population levels and anthropology, and related fields
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
田中 伸幸 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, グループ長 (40393433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 寛 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, グループ長 (00259996)
田島 木綿子 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (00450635)
保坂 健太郎 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (10509417)
井手 竜也 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (80724038)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2018: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 生物多様性 / 植物相 / 記載 / 種多様性 / 国際共同研究 / flora / fauna / inventory / taxonomy / インベントリー / 国際協力 / ミャンマー / ABS / 記載分類 / 生物相 / フロラ / ファウナ / 東南アジア大陸部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,国立科学博物館とミャンマー森林研究所との国際共同研究として,いまだ未知領域に留まるミャンマーの動植物・菌類の種多様性の解明を加速的に進展させ,最新手法を用いたインベントリーを共同実施することで,共同研究体制の基盤を確立することを目的としている。 令和4年度は,現地調査を再開し,ベンガル湾および湾岸域のアラカン山脈南端部において, 維管束植物, 海棲無脊椎動物,菌類などの調査をミャンマー森林研究所との共同研究として実施し, 維管束植物120点,海棲無脊椎動物75点, 菌類34点の標本を採集した。 その結果,種子植物では, クズウコン科の新属・新種Myanmaranthus roseiflorusを発表した。また,ラン科ボウラン属の新種Luisia verrucosa,ポパ山からセッコク属の新種Dendrobium popaenseを記載した。担子菌類では,これまでに収集した標本からGastrum courtecuisseiおよびPhallus merulinusの2種について, 前者はミャンマーと南米,後者は,熱帯・亜熱帯地域に広域分布していることが示唆され,論文として発表した。 昆虫では, 西部チン州からタマバチ科ナラタマバチ族の一種を初めて記録したほか,新たにアラカン山脈からブナ科シイ属の植物に形成した虫えい(ゴール)から採集されたタマバチ科について, 成虫形態および分子系統解析の結果, イソウロウタマバチ族のSynergus属に属する新種であることが判明した。 さらに,前年度に制作した種子植物および菌類の標本管理についての約1時間のe-ラーニング動画をミャンマー天然資源省森林局のミャンマー森林研究所および生物保護課に所属する職員に対して受講生を募集し, 野生生物の保全や国立公園の管理, 標本管理を担当する27名の職員に対してe-ラーニングを配信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年より新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、ミャンマー政府による外国人に入国規制が強化されたため、現地調査ができなくなった。2022年から規制が緩和されたため、2022年に2年半ぶりに海外調査を再開することができた。研究期間の延長を申請し、それまでの遅れを取り戻すべく、ベンガル湾の離島をはじめとするこれまで動植物の調査が行われていなかった地域で, はじめて調査を行なったほか、それまで採集していた標本のDNA同定を進めることにより、同国からの新産種が明らかになった。しかし、現地を訪問できなかった期間に開催予定だった研究の技術移転および研究成果の現地との共有についても遅れを取っている。その代替として昨年度に制作したe-ラーニング動画を今年度にiroha Boardを利用して講座を開設し、動画配信を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施期間を次年度まで延長し、現地調査を森林研究所との共同研究として実施する。国際協力機構(JICA)によるミャンマー森林研究所内に建設された標本センターである生物多様性研究センター(BRC)の内部の標本収蔵施設の整備を連携して行ってきたが、新型コロナウイルス感染症の影響や情勢によって遅延していた。その事業も昨年度から再開したため、これまでの遅延を取り戻すために、再度研究期間を1年間延長の申請を行い、JICAとも緊密に連携し、標本収蔵施設の整備に協力する。本研究課題で明らかになった種子植物、菌類などの新分類群のタイプ標本(基準標本)や新産地報告などの論文発表を行った際の証拠標本を、すべて新設される生物多様性研究センターのハーバリウムに収蔵し、カウンターパートの若手研究者などが今後、活用できるようにする計画である。
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