1950年代の放射線被ばく影響をめぐる日本人科学者の発信と国際的な議論
Project/Area Number |
18KK0330
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Sociology/History of science and technology
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Research Institution | Hiroshima University (2021-2022) Nagasaki University (2018-2020) |
Principal Investigator |
中尾 麻伊香 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10749724)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 放射線被ばく / 広島 / 長崎 / 核実験 / ビキニ / 原爆 / IAEA / UNSCEAR / ビキニ事件 / 医学調査 / 原爆被害 / 日本人科学者 / 原子力 / 医学言説 / 被ばく影響 / 冷戦 / 都築正男 / 放射線防護 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、原爆の人体影響に関する科学知識が、冷戦下の核をめぐる東西の交渉の場でどのように流通し、作用したかを検討する。核実験が繰り返された1950年代、放射線被ばく影響をめぐる関心が国際的に高まった。アメリカを中心とした核保有国がその影響を過小評価する傾向にあったなか、日本の科学者たちは独自の調査結果の発表の場を欧州に求め、そこから国際的に発信していった。被爆者をめぐるデータは、UNSCEARやIAEAなどの国連機関における議論のなかでどのように用いられたのか、そのさい日本の科学者たちはどのような役割を担ったのか、被ばく情報の発信と放射線影響をめぐる国際的な議論の関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、国内での調査に加え、昨年度はできなかった海外渡航調査を行った。 ・8月から9月にかけて渡欧し、ウィーン医科大学、パリ・デカルト大学図書館、パリ自然史博物館、キュリー博物館、UNESCOアーカイブズ、ベルリン州立図書館、シャリテ医学図書館で、原爆被害に関する医学論文や、日本人科学者と欧州の科学者の交流などに関して調査を行った。 ・パリではEHESSの井上雅俊氏の協力を得て、調査を進めることができた。また、パリ在住の科学史研究者らと情報交換を行なった。 ・ウィーンではウィーン大学のElisabeth Roehrlich氏と、本研究課題に関して情報交換を行った。 ・国内では、広島と長崎で、関連の資料調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は海外渡航調査ができたものの、当初見込んでいたような進捗状況ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの調査をまとめていくとともに、共同研究者を広島に招いて研究会を開催し、研究成果につなげる。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)