Project/Area Number |
18KK0355
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Public finance/Public economy
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
暮石 渉 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 第3室長 (00509341)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 貯蓄 / 予備的動機 / 遺産動機 |
Outline of Research at the Start |
基課題は、小規模化する世帯構造に着目して、個人がどのように対処しようとしているのかを貯蓄の観点から実証的に分析するものである。 本研究では、日本の個人や家計の貯蓄を対象としてミクロ統計データを用いて実証分析を行ってきた基課題を軸に、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、イギリスとの比較研究を行っていくことで、申請者の家計貯蓄の研究を世界へ広げることを目指す。 このような国際比較研究によって、少子高齢化が進み「世帯規模が小さくなっていく日本」という地域特殊な文脈で研究されてきた貯蓄行動の研究をより広い場に導き出し、予備的動機や戦略的遺産動機が貯蓄に与える影響をより客観的な軸を持って分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
基課題は、小規模化する世帯構造に着目して、個人がどのように対処しようとしているのかを貯蓄の観点から実証的に分析するものであり、本研究では、日本の個人や家計の貯蓄を対象としてミクロ統計データを用いて実証分析を行ってきた基課題を軸に、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、イギリスとの比較研究を行っていくことで、申請者の家計貯蓄の研究を世界へ広げることを目指すものである。 このような国際比較研究によって、少子高齢化が進み「世帯規模が小さくなっていく日本」という地域特殊な文脈で研究されてきた貯蓄行動の研究をより広い場に導き出し、予備的動機や戦略的遺産動機が貯蓄に与える影響をより客観的な軸を持って分析することを目的としている。 予備的動機および戦略的遺産動機に着目した、小規模な世帯の貯蓄行動を研究するという基課題を軸に、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、イギリスとの比較研究を行っていくことで、申請者がこれまで行ってきた家計貯蓄行動の研究をより広い場に導き出すことが可能となる。 また日本の家計貯蓄の研究を軸にしつつ、本国際共同研究では、家族主義としての同質性を持つドイツの家計及び、個人主義的な色彩が強いアメリカやイギリス、オーストラリアの家計との比較分析を行い、小規模化する世帯の貯蓄行動の全体像がつかめる研究へ発展させていく。それぞれの国の歴史・社会・文化的な背景はことなるものの、これらの国の家計はおなじく今後少子高齢化を迎え、いずれは世帯の小規模化を経験していく。それらの家計の先駆事例として日本の家計の貯蓄行動のあり方を比較的な視点から分析できれば、日本の家計貯蓄が持つ普遍性と特殊性を深く理解できるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、今般の新型コロナウイルスの蔓延により、状況が一変したため、本年度は基課題の成果発表や整理と国際共同研究者との受け入れ態勢の確認を行った。 特に、基課題において国際共同研究をすでに進めていたHannah Paule-Paludkiewicz氏(大学院生)、Hitoshi Tsujiyama准教授、Midori Wakabayashi准教授(東北大)とのライフサイクルにおける時間割引率の研究では、論文を完成させ、英文査読誌への投稿を行った。研究計画書では、フランクフルトゲーテ大学に9ヶ月の滞在を予定していたが、先方の都合で調整が付かず、代替として、ZOOMやSkypeでの会議を行っている。 Melbourne Institute、Australian Institute of Family Studies、およびThe University of Melbourneへの滞在については、Abigail Payne教授および、Diana Warren教授、Barbara Broadway教授とThe Household, Income and Labour Dynamics in Australia調査用い、家計管理の時間次元や時間割引率の質問項目を利用したオーストラリア家計の貯蓄行動を国際比較による視点から分析する予定であったが、先方との調整がついていない。Kei Sakata Research Fellowとは、ZOOMやSkypeにより、これまでの研究を発展させ、論文を完成させ、英文査読誌からRevise and Resubmitの返事をもらっている。 このように、本年は昨年に引き続き、受け入れ態勢の確認と構築を進めてきたが、新型コロナウイルスの蔓延により渡航できていない。代替として、これまでの研究ネットワークを発展させ、ZOOMやSkypeの手段で研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航滞在先である、Melbourne Institute、Australian Institute of Family Studies、およびThe University of Melbourneからは、新型コロナウイルスの蔓延にともない、海外からの全研究者の受け入れが中断されている。したがって、渡航のめどはたっていない。フランクフルトゲーテ大学への短期の滞在については、Hannah Paule-Paludkiewicz氏(大学院生)、Hitoshi Tsujiyama准教授、Midori Wakabayashi准教授(東北大)から特段の計画の変更の連絡はないが、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの蔓延状況は予断を許さず、情報収集を続けるとともに、引き続きzoomやskypeによる共同研究を進めていく。
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