Visualization analysis of shipping network in the modern world trade
Project/Area Number |
18KK0363
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木越 義則 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (00708919)
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Project Period (FY) |
2019 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 海運 / 東アジア / データベース / 不定期船 / 上海 / 香港 / 神戸 / アジア / 船舶 / エネルギー / 貿易 / 石炭 / 海域 / インド洋 / GIS / 航路 / 港湾 / 傭船市場 / 定期郵船 / ネットワーク / 世界貿易 / 長い19世紀 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近代における欧米圏とアジア地域の海運データを総合し、19世紀から21世紀へと続くアジア太平洋貿易の興隆を世界経済史の文脈で検討する。具体的には、ロンドンを中心とする欧米諸国の港湾の海運情報を可能な限り収集し、既に作成しているアジアの海運データベースを世界規模に拡張する。欧米圏の船舶情報は、国内で収集することが容易ではないため、現地の図書館・資料館に精通した海外共同研究者と共同で作業する。以上のような作業により、はじめて近代世界貿易の構造を一層実証的に究明することができる、と考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,昨年度までに作成した海運のデータベースに基づいて,20世紀初頭におけるアジア海運の構造的な特徴について分析を進めた。さらに,海運についての既存研究の調査と整理を行うことで,分析結果がアジア経済史上もつ意義について検討した。それらの分析と検討を通じて得られた知見については,研究会及び学会での発表を行った。 分析と検討の主要な内容は以下の通りである。昨年度までの研究では,データベースの作成を通じて,20世紀初頭までに東アジアには世界最大規模の海運ネットワークが形成されていた事実を確認した。今年度は,なぜ東アジアの近代海運業が発展したのか,という課題に対して,学術的な説明を行うことが中心的作業であった。既存研究の検討を通じて,日本海運史においては,不定期船による重量貨物の輸送業の発展が,日本海運業を世界的な水準に押し上げたとされている。この日本海運史の知見は,上海,香港などの中国海域においても当てはまる,という仮説を立てた。この仮説を検証するために,東アジア海域における不定期船業の比重とその輸送構造を定量的に確定する必要があった。そのために,日本国内に残されている海運史料の収集を行い,データベースをさらに拡張する作業も並行して行った。 既存研究の検討,そしてデータベースの拡張作業は比較的順調に進展したものの,国際的な学術誌の場で公表できる水準の論文の完成には至っていない。データベースから得られたデータを,東アジアの不定期船市場に即して整理する作業の途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存研究の調査と整理は順調に進展している。本研究が対象とする19世紀後半期から20世紀初頭にかけての海運に関する主要な研究論文については,英語,日本語,そして中国語で書かれたものを網羅的に収集することができた。それらの研究論文を検討することで,アジア海域における近代海運業について,主流的な見解を理解し,また未だ十分に論究あるいは実証されていない領域についても把握することができた。これらの既存研究の整理を通じて,研究成果を総合化するための軸となる論点を定めることができた。特に,20世紀初頭,東アジア海域における不定期船業に分析の焦点を絞り込むことができた。 ただし,これらの分析の成果を査読誌に投稿できる水準にまで論述するまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでの既存研究の検討を通じて得られた論点を中心に,実証的な論文を執筆し,それを国際的な場で公にすることを目標とする。海外共同研究者との意見交換をさらに活発化させることで,国際的な学術における関心動向を見据えつつ,アジア経済史の既存の歴史像をより豊かにできる水準の論文の作成を目指す。これまで構築してきたデータベースのさらなる拡張と精緻化を進め,東アジアの不定期船市場の内実について接近できる実証的なデータを提示する。
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Report
(5 results)
Research Products
(14 results)
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[Book] 東アジア経済史2020
Author(s)
堀和生、木越義則
Total Pages
380
Publisher
日本評論社
ISBN
9784535558045
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