Project/Area Number |
18KK0420
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Constructive Systems Biology
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research (2023) Kyoto University (2018-2022) |
Principal Investigator |
宮崎 牧人 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40609236)
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Project Period (FY) |
2019 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
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Keywords | 細胞分裂 / 細胞骨格 / 分裂酵母 / 分子モーター / 再構成 / 人工細胞 |
Outline of Research at the Start |
細胞分裂は細胞骨格の動的組替えで制御される。本研究では1分子・超分子集合体・生細胞の3階層における研究を同一のモデル生物で行うことで、細胞分裂機構の階層的理解を目標とする。キュリー研究所(仏)とペンシルベニア大学(米)兼任のPhong Tran博士が持つ分裂酵母変異体ライブラリーと、独自に開発した細胞形態・細胞骨格の制御技術、そして申請者の1分子操作・再構成技術を組み合わせることで、トップダウン法とボトムアップ法の双方から細胞分裂の仕組みに迫る。本計画終了後も日仏米の国際チームを維持し、京都・パリ・フィラデルフィアを細胞分裂研究の拠点として発展させて行く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、渡航先(キュリー研究所・フランス)で行うin vivo実験で得られた仮説を代表者の研究室で行うin vitro実験で検証することを繰り返すことで、細胞分裂の仕組みに迫るという計画である。キュリー研究所で研究室を主催するPhong Tran博士と、Tran研究室に所属している博士課程学生1名、博士研究員1名の協力のもと、分裂酵母の染色体分配に関与するキネシンに変異を導入し、紡錘体動態に分子摂動を加え、染色体分配機能への影響を系統的に解析した。 具体的には、紡錘体のmidzoneに集積し、逆平行の微小管をスライドさせることで紡錘体の伸長力を生み出すと考えられているキネシンKlp9と、紡錘体の両極に局在し、微小管の端を束ねる役割を担っていると考えられているキネシンPkl1に着目。それぞれのキネシンのmotorドメイン、tailドメイン、neckドメインを入れ替えたキメラ型キネシンを遺伝子組換えによって分裂酵母に導入し、機能解析を行なった。その結果、紡錘体の伸長速度が野生型よりも速くなるklp9のキメラ型キネシンを発見し、この変異体では紡錘体の伸長過程で構造が壊れることにより染色体分配が正常に行われなくなることを発見した。また、紡錘体の両極が不安定化するPkl1のキメラ型キネシンを発見し、この変異体においては紡錘体の細胞内配置が非対称化することで、染色体分配が正常に行われなくなることを発見した。 当該研究成果は、分裂酵母研究における世界的な国際会議(11th International Fission Yeast Meeting POMBE 2023)で口頭発表枠に選出され、講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスCovid-19の感染拡大による渡航制限により、共同研究先への渡航が制限されていたが、ようやく渡航が実現した。しかし代表者が異動直前のタイミングでの渡航となったため、共同研究先で実験を行うために必要な研究者ビザの申請が却下されてしまった(10月の異動後、異動先研究機関から改めてビザを申請する必要があり、研究機関間の同意の締結及びビザの審査期間に半年程度かかることから、今年度のビザ発給は困難であった)。渡航先で代表者が主体的に実験を行うことは許可されず、その後計画していた長期滞在も実現できなかったため、計画通りに本研究課題を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
国際共同研究により、紡錘体の伸長速度が野生型よりも速くなるキネシン変異体を発見した。しかし今年度の研究はin vivoでの表現系の解析にとどまっており、紡錘体の伸長速度がキネシンによって制御されるメカニズムは不明である。そこで微小管とキネシン、微小管の架橋タンパク質など、分裂酵母の紡錘体を構成しているタンパク質を精製し、in vitroで紡錘体メカニクスを解析する実験系を構築する。この実験系を用いてキネシン変異体の運動機能解析や力学計測を行うことで、力を介した紡錘体動態の制御メカニズムに迫る。
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