Project/Area Number |
19017012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 秀樹 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (20202749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 泰治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20154354)
水野 正隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50324801)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 陽電子 / ペロブスカイト型酸化物 / プロトン導電体 / 陽電子寿命 / ペロブスカイト構造 |
Research Abstract |
高性能燃料電池の実現には優れたプロトン伝導性固体電解質の開発が必要であり、ペロブスカイト型酸化物はその有力候補である。特に、ペロブスカイト型酸化物SrZrO_3はプロトン導電性が発見されており、注目を集めている。しかし、プロブスカイト型酸化物SrZrO_3の欠陥構造については、プロトン導電性に影響を与えるにもかかわらず、不明な点が多い。そこで、本研究では、SrとZrの組成比を様々に変えたSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>中に存在するカチオン空孔濃度について明らかにするために、陽電子寿命測定を行った。 SrCO_3粉、ZrO_2粉、Y_2O_3粉を秤量し、部分安定化ジルコニア製の乳鉢内でエタノールを加えて混合した。乾燥させた後、1623K、10時間空気中でか焼した。その後、試料を再び乳鉢で混合し、265MPaの圧力を加えて直径17.2mmのディスクに圧粉した。ディスクは1923Kで50時間焼鈍を施し、焼結された。得られた焼結体のX線回折測定を行い、試料中に存在する結晶相の同定を行った。陽電子寿命測定は、線源に30μCiの^<22>Naを用いて、fast-fast timing coincidence systemにより室温で行った。得られた陽電子寿命スペクトルは、RESOLUTIONおよびPOSITRONFIT EXTENDEDを用いて解析した。 本研究で作製したSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料のX線回折測定を行ったところ、いずれの試料においても、ペロブスカイト構造を持つ相がただ一つだけ観測された。化学量論組成よりSr-richなSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料を作製したところ陽電子平均寿命は190ピコ秒を超える長い値を示した。これに対して、Sr-poorなSr_<1+x>Zr_<1-x>O_<3-δ>試料の陽電子平均寿命は180ピコ秒に満たない短い値であった。この結果により、Sr-poor組成において、陽電子を捕獲するカチオン空孔濃度は少ないが、Sr-rich組成においては陽電子を捕獲するカチオン空孔濃度は高いことが明らかになった.
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