可視域で透明な希土類磁性酸化物ガラスの開発と光デバイス化
Project/Area Number |
19018011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 知克 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (00293746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 正行 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90198573)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ファラデー回転 / 磁性酸化物 / 可視域透明性 / 希土類イオン / 磁性クラスタ / 超交換相互作用 / マンガンイオン / 光アイソレータ |
Research Abstract |
可視域で透明な希土類磁性酸化物ガラスは高いファラデー回転特性を示すことから、可視用光アイソレータ材料として有望である。着目しているガラスはEuOを含有するアルミノシリケートガラスであり、近年我々の研究グループでEuO高濃度化に成功したものである。本研究では、本ガラスの光磁気特性向上のために遷移金属イオンMn^<2+>を添加し、そのファラデー回転特性を調べたので報告する。 まず、Eu_2O_3, MnO, C (glassy), Al_2O_3を所定量で配合(C/Eu=4 in molar)してH_2ガス中1200℃で10時間加熱処理し、Eu_<1-x>Mn_xAl_2O_4粉末(x=0,0.02,0.05,0.10)を準備した.そしてEu_<1-x>Mn_xAl_2O_4: SiO_2=1:1に混合した粉末を一軸加圧して成型体(8mmφ×25mm)としH_2ガス中1500℃で5時間加熱処理して焼結体を得た.この焼結体をArガス雰囲気とした赤外線集光加熱炉中で溶融し,双ローラーで超急冷することでガラスを得た.磁化特性はSQUID磁束計(Quantum Design, MPMS-5)にて測定した。そしてx=0および0.02試料についてファラデー回転特性の温度依存性を測定した。ファラデー回転測定は波長632.8nm (He-Neレーザー)でパルス磁場(〜16T, 28ms)を印加して行った. ベルデ定数の温度依存性(x=0および0.02)の測定結果を得た。常磁性体のファラデー回転は磁化率に比例することがVan-Vleck&Hebb (1934)により示されており、現象論的にベルデ定数の逆数は温度の関数として|V|^<-1>=AT+Bと書ける。どちらの試料も|V|^<-1>の値は温度が高くなるに従い直線的に変化していったが、x=0の試料では、T=150K以上で急速にベルデ定数Vが減少し(|V|^<-1>は増加し)、250Kでの値は-157.6[rad. T^<-1>m^<-1>]となった。一方、x=0.02試料ではほぼ直線的に変化し続け、同じ温度でのベルデ定数は-185.3[rad. T^<-1>m^<-1>]であった。また、磁化率Xの温度依存性を測定したところ、室温から50Kまではキュリーワイス型X=C/(T-T_c)と負のキュリー温度T_cで表される磁化特性を示し、Mn^<2+>イオンへの置換とともにT_cの絶対値が大きくなった。これらのことから、Eu^<2+>イオンとMn^<2+>イオンの間に酸素を介した超交換相互作用が働き反平行スピン配列が形成され、そのために温度依存性の少ないファラデー回転特性を示したと考えられ、結果として室温でのファラデー回転特性向上が達成された。
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Report
(1 results)
Research Products
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