Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
高温においてプロトンと電子あるいは電子正孔による混合伝導性を示す材料は,水素分離精製システム用の水素透過膜や燃料電池の電極材料としての応用が期待されている。しかしながら,これらのデバイスの作動条件である高温・水素還元性雰囲気においてプロトン-電子混合伝導性を示す材料は,ほとんどその報告例がない。本研究では,Laのように三価で安定な希土類を含むプロトン伝導性オキソ酸塩と,Ceのように混合原子価をとりやすい電子(電子正孔)伝導性オキソ酸塩を複合化することにより,水素還元性雰囲気においてプロトン-電子混合伝導体として機能する新規材料を開発することを目的とした。本年度は,希土類オキソ酸塩の中から希土類オルトリン酸塩(LnPO_4),希土類オルトホウ酸塩(LnBO_3)を取り上げ,これらの材料の複合化を行うための基礎データとして,個々のオキソ酸塩における電気伝導特性に及ぼす希土類イオンの価数の影響について検討した。その結果,高温,H_2還元性雰囲気では,LaやNdのような三価で安定なLnPO_4及びLnBO_3は支配的なプロトン伝導性を示すが,CePO_4はプロトンとホールの混合伝導性を,CeBO_3は支配的なホール伝導性を示すことが明らかとなった。また,X線吸収分光等の結果から,CePO_4およびCeBO_3のホール伝導性は,Ceの一部をSrで置換した際に,もともと3価のCeの一部が4価に酸化されることにより発現することが分かった。さらにLnPO_4, LnBO_3のいずれの系においても,LaとCeは全率固溶することが確認され,これらの材料の複合化が可能であることが示された。
|