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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
リチウム二次電池用の次世代負極の創製をめざし,種々のLa-Sn系合金を合成しさらにそれらを原料としてガスデポジション(GD)法により作製した厚膜電極の性能を調べた.LaSn, La_3Sn_5およびLaSn_3の各希土類合金を合成しこれらをGD膜電極としたところ,従来法により作製された電極と比較して充放電サイクル安定性が顕著に向上することがわかった.Sn単体の電極が数サイクルの間に急激に容量が減衰するのに対し,Laと合金化した電極ではそのような挙動が顕著に改善されることがわかった.特に,La_3Sn_5電極ではSn単体電極と同等の初期放電容量を有する一方で格段に優れたサイクル安定を示したことは注目に値する.これは,合金化によりLiの挿入一脱離にともなう体積変化が減少したことおよびGD法で厚膜化する際に応力変化を緩和し易い膜形状あるいは形態にできたためと推察される.最適な組成という点においては,サイクル後期で急激な容量の低下があるものの,総合的にみるとLaSn_3が最も魅力的な電極であると判断した.さらに,LaSn3にリチウムを機械的手法で添加して得られたLi_3LaSn_3は,GD膜電極においても,リチウム未添加の電極と比較して,充放電第1サイクルにおける容量可逆性が改善されることを確かめた.リチウムの代わりにホウ素を添加した場合は(B_3LaSn_3 GD膜電極),容量可逆性には改善は認められないがサイクル安定性を一層向上できることがわかった.これは,LaSn_3に硬度の高いホウ素を添加することでGD法による製膜時に粒子同士が密着しすぎることを防ぎ,充放電の体積変化による応力を緩和できるような適度な空隙を作ることができたためではないかと推察した.
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