光に起因する電子・イオンダイナミクスに対する実時間シミュレーション法の開発
Project/Area Number |
19019002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢花 一浩 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70192789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中務 孝 独立行政法人理化学研究所, 中務原子核理論研究室, 准主任研究員 (40333786)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 時間依存密度汎関数理論 / 電子ダイナミクス / 第一原理計算 / 光応答 / 超高速現象 / 超並列計算 / 超短パルスレーザー / 量子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、時間依存密度汎関数理論に基づき、光と物質の相互作用に関するミクロな理解を発展させる上で有効な多電子の量子ダイナミクスを記述する汎用のシミュレータを開発することである。これまで、実空間・実時間法により電子波動関数を時間発展させ、各時刻にイオンに働く力を用いてイオン運動を行う、電子とイオンの運動を結合させたシミュレーションプログラムを開発し、超並列計算機を用いた計算の有効性を検証してきた。本年度は本研究の最終年度として、サイズの大きい分子の光応答に対する計算例としてフラーレンC_<60>の光吸収計算を行い、また分子や誘電体とパルスレーザーの相互作用に対する計算例として、フラーレンのクーロン爆発やダイヤモンドのコヒーレントフォノン生成メカニズムを検証する計算を行った。 フラーレンの振動子強度に関しては、十分広い空間で計算を遂行することにより、電子のイオン化に対する境界条件を正しく考慮し収束した分布が得られることを確認した。計算からフラーレンの球殻構造を反映して高い励起エネルギー領域まで離散的な構造が現れることを示し、それらが実験的な測定結果を高い精度で再現することを示した。このようにして、本研究で開発された計算コードが比較的大きな分子の振動子強度分布を定量的に調べる上で、極めて優れた方法であることが分かった。 強いパルスレーザーのもとでの運動に関しては、フラーレンのクーロン爆発に対する予備的検討を行い、このサイズの系で必要となる計算リソースを見積もった。誘電体との相互作用に関しては、本研究で開発した方法が、コヒーレントフォノン生成の理解に有効であることを明示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)