最小ワニエ軌道を用いたフラストレーション系の強相関第一原理計算
Project/Area Number |
19019012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo (2008) The Institute of Physical and Chemical Research (2007) |
Principal Investigator |
有田 亮太郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80332592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是常 隆 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90391953)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 最局在ワニエ関数 / downfolding / 動的平均場近似 / フラストレーション系 / 制限乱雑位相近似 / 動的平均場理論 |
Research Abstract |
現在の多体電子状態計算には、パラメーターフリーに物質の個性を反映した計算が実行できる密度汎関数理論に基づく第一原理計算の方法と多体効果を精密に取り扱うことのできるモデル計算の方法がある。両者を融合するには、第一原理勉子状態計算から、いかに低エネルギー有効模型を作るか(downlbldingg)が重要なポイントとなる。 本課題では、局在ワニエ軌道という概念をキーワードにしたdownfoldingに関する方法論の開発に従事している。本年度は、昨年度までに開発したプログラムを用いて、年度初頭に東京工業大学細野グループで発見された鉄砒素系新超伝導体の低エネルギーの有効模型の構築を行った。銅酸化物高温超伝導体と異なり、本物質では鉄の5つのd軌道がフェルミ面近傍で複雑に絡み合うが、特にdxz, dyz, dx2-y2の3つの軌道が超伝導にとって本質的な役割を果たしうることを明らかにした。また、constrained RPAと呼ばれる手法を用いてこの物質の相互作用パラメータの評価を行った。その結果、on-siteのクーロン相互作用のオーダーとしてはバンド幅の3/4程度、典型的なtransferエネルギーの10倍程度であることが明らかになった。 一方、遷移金属化合物のように、低エネルギー有効模型の規定がある特定の原子に局在しない系のdownfoldingの実行とその精度の検証も行った。特に本年度は、アルカリ金属を吸蔵したソーダライトについて、3次元ハイゼンベルク摸型を導出し、その精度を高温展開の方法で帯磁率を計算し、実験と比較するという手続きで検証した。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)