Project/Area Number |
19020038
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Ritsumeikan University (2008) Osaka University (2007) |
Principal Investigator |
北 泰行 Ritsumeikan University, 薬学部, 教授 (00028862)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 有機ヨウ素 / 酸化 / 不斉反応 / 反応機構 / 有機触媒 / フェノール / 生物活性物質 / 環境対応 |
Research Abstract |
これまでに申請者は、phenyliodine diacetate(PIDA)やphenyliodine bis(trifluoroacetate)(PIEA)がタリウム、水銀、鉛などの毒性の高い重金属酸化剤に代わる安全で取り扱い易い優れた反応剤であることを明らかとし、各種の生物活性天然物の全合成に応用してきた。本研究では、これまでに効果的な方法が全く見出されていない超原子価ヨウ素反応剤を用いる不斉反応の実現に挑戦する。昨年度の本研究を通じて、スピロ型キラル反応剤がフェノール類の不斉酸化を高選択的に起こすことが明らかとなったので、本年度は合成に多工程を有する反応剤の触媒的利用と構造修飾によるリサイクル化について検討し、より合成的に有用な方法へと発展させた。触媒的利用技術を活用し、一連の誘導体の不斉触媒能のスクリーニングを行うことで、より高選択的な不斉ラクトン化反応剤を見出した。本成果は、有機触媒を用いるフェノール類の不斉酸化の初めての例である。また、本反応の検討中に、そのエナンチオ選択性と用いる溶媒の極性との強い相関関係を見出し、フェノール類の酸化反応における協奏的な反応機構の存在を明らかとした。現在、これらの成果を応用し、ラクトナマイシンFを含む2, 3の有用な生物活性を有する天然物の合成を検討中である。 上記の結果に加え、フェノール類の多官能基の際に有用な独自の変換技術として、有機ヨウ素を触媒とする世界で初めてのC-C結合形成反応、金属を用いないフェノール側鎖の選択的なC-H官能基化、および種々のヨウ素反応剤の新規反応性の開拓に成功した。
|