Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
本研究課題では、これまで固定型不斉補助基として利用されてきたCr(CO)_3基をある条件下においては可動型の不斉補助基として活用できることを見出したことがきっかけとなり、Cr(CO)_3基の連続移動を行うことで従来では合成が困難な高度な不斉環境有する炭素骨格を構築することを目的としている。2008年度においては、どのような側鎖置換基を持つ場合において、Cr(CO)_3基の移動が起こるのかを詳細に検討を行った。これまで検討結果から、Cr(CO)_3基の移動には、立体的に反発のある熱力学的に不安定な構造をもつことと、さらにCr(CO)_3錯体の側鎖に配位可能なヘテロ原子をもつことが必要であることが分かった。そこで連続的なCr(CO)_3基の移動を実現するべく、より望ましい置換基やおよび溶媒等のさらなる検討を行った。さらに、立体選択的にCr(CO)_3基の移動が起こることにより、新たに不斉非対称化が進行するといったこれまでに全くないタイプの反応を見出すこともできた。これらの結果は、Cr(CO)_3基を触媒的に活用できる可能性を示唆しており、触媒化に向けた予備的な知見を得ることができた。
All 2009 2008 2007
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