Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
ジアセチレン誘導体の結晶に光照射すると, 結晶状態を保ちながら連鎖的に固相重合が進行し, 生成物として結晶性ポリマーを容易に得ることができる。本研究では, まずカルボン酸1-ナフチルメチルアンモニウム構造をモノマーに導入し, アルキルスペーサーの長さの異なる一連のジアセチレン誘導体を合成, 重合し, 生成ポリマーの構造や性質を明らかにした。また, 室温で有機溶媒に可溶なポリジアセチレン誘導体の合成も行い, 溶液系の紫外可視吸収のサーモクロミズム挙動も明らかにしてきた。本年度は, π共役系を拡張したポリジアセチレンを合成するため, ジアセチレンに直接フェニル基が置換したモノマーを合成し, 重合を試みた。同時に, カルボン酸を側鎖に含むポリジアセチレンへのキラルアミンの添加による誘起円二色性の発現も新たに見出した。ポリフェニルアセチレン誘導体などのπ共役系ポリマーの動的照せんや誘起円二色性について研究は盛んに行われているが, ポリジアセチレンを用いて円二色性を観察した例はこれまで報告がなかった。ポリジアセチレンのメタノール分散液に, キラルな1-シクロヘキシルエチルアミンを添加すると, 紫外可視吸収スペクトルは短波長側に大きく移動し, 同時に, 円二色性スペクトルに大きな変化が認め照れた。また, ろ過単離した固体試料の粉末X線回折か照, ポリジアセチレンがアミンの添加前後のいずれの状態においても層状構造を保持しており, 層状距離がアミンの添加によって変化することを確認した。さらに, 液晶性を示す一連のジアセチレンについて液晶挙動や光重合反応性について検討し, アルキル炭素数と液晶挙動ならびに相転移温度の関係を明らかにした。熱分析, X線回折ならびに光学顕微鏡観察の結果からスメクチック相をとることや液晶相を示す温度領域はアルキル置換基の大きさに依存し, アルキル鎖が短い誘導体では高温で結晶化が起こりやすいことを見出した。
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