Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
純度の異なるアルミニウムに対し, 室温下で形状不変プロセスの一種である多軸鍛造を施し, 負荷ひずみ量の増加に伴う流動応力および組織変化に関する調査を行った. アルミニウムの多軸鍛造に伴う流動応力は純度の増加に伴って低下する. また, 加工応力は累積ひずみの比較的小さな段階(約2.0程度)で飽和するが, 加工応力の飽和後の組織変化は著しく, 明瞭な結晶粒の微細化が開始されるのは2N(99%)アルミニウムで累積ひずみ3程度, 4N(99.99%)アルミニウムで累積ひずみ4以上である. また, 室温で著しい静的再結晶を生じる5N(99.999%)アルミニウムと4Nアルミニウムでの飽和応力が同程度であることも併せ, 室温多軸鍛造においては組織と定常(飽和)応力との関係は一対一ではない. また, 多軸鍛造ではひずみ負荷方向を加工毎に90度ずつ変化させるが, 加工初期に応力が低下するが, この現象は累積ひずみの値にかかわらず認められる. この現象の説明としてひずみ負荷方向の変化に伴って活動するすべり系が変化することが大きく寄与していると考えられる. 一方, 累積ひずみが増加すると一回の加工中に応力が僅かに低下する現象が認められるが, これは変形中の動的回復と関係している可能性がある. 多軸鍛造中の結晶粒微細化過程としては, 加工中に生じるマイクロせん断帯の発達が重要であると考えられる. 多軸鍛造の場合, ひずみ負荷方向を変化させることから, 結晶粒内部で複数の方向にマイクロせん断帯が発達するが, これらの交差部分で粒界の大角化が生じていることがわかった. また, 一回の加工ひずみを小さくすると, マイクロせん断帯の発達は遅延するため, 多軸鍛造においてはマイクロせん断帯を粒内部に導入することが重要であると考えられる.
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