原子像実空間観察を用いた酸素フリーGe表面創成型湿式洗浄プロセスの開発
Project/Area Number |
19026008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有馬 健太 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (10324807)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | ゲルマニウム基板 / 走査型トンネル顕微鏡 / 湿式洗浄 / 表面不動態化 / 表面原子構造 / 原子間力顕微鏡 / X 線光電子分光 |
Research Abstract |
次世代の高性能半導体デバイスを実現するために、シリコンと比して電子・ホール共に高い移動度を有するゲルマニウム(Ge)基板が注目されている。半導体デバイスの性能は、金属-酸化物-半導体構造中のゲート絶縁膜の電気的性質に大きく依存し、これはゲート絶縁膜形成直前に行われる半導体基板の湿式洗浄プロセスにより決定される。本研究では、搬送を含む雰囲気中の酸素濃度を精密に制御することにより、薬液と相互作用するGe特有の現象を原子像実空間観察により解明し、高信頼性ゲート絶縁膜形成に適合したGe表面湿式洗浄プロセスを開発することを目的とする。 まず、有機溶媒による脱脂処理を施したGe(111)表面に対して、超高真空中で800℃30秒の熱処理を施し、原子レベルで平坦なステップ/テラス構造を作製した。次にUVオゾン処理により化学酸化膜を形成した。そして、化学酸化膜の除去と表面のCl終端化が期待できるHCl溶液中にGe試料を浸漬し、両者の相互作用や得られる表面構造の原子レベルでの解明を行った。その結果、余剰な自然酸化膜の無いCl終端表面を得るためには、HC1浸漬及びその後の搬送過程における不活性ガスによるパージ雰囲気(酸素ガスフリー)が必要不可欠であることをX線光電子分光により確認した。次に、HCl浸漬を経たGe(111)表面を原子間力顕微鏡観察し、(1)ステップ/テラス構造が維持されていること(2)ステップ段差が二原子分(バイレイヤー高さ)であるごとを確認し、表面の大部分においてC1終端化された1×1構造が形成されていると結論付けた。また、走査型トンネル顕微鏡による高分解能観察を行い、局所的には原子レベルの輝点や、60°〜90°を成すステップ端らしき構造が観察されているが、10nm^2オーダー以上の広いテラスは観察できず、原子スケールでのマイクロラフネスは依然として大きいことを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)