Project/Area Number |
19027001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 正道 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 准教授 (70301231)
|
Project Period (FY) |
2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | ホスフォール / ホスファメタロセン / 面不斉 / 求電子剤 / メタセシス / モリブデン / ルテニウム / ホスフォリド |
Research Abstract |
本研究では、「複数の機能をもつ配位子」としてホスフォール、アルソールなどの15族ヘテロ原子を含む五員環化合物をとりあげ、その有機金属錯体の化学を展開した。ホスフォールから容易に誘導できるホスフォリド(ホスファシクロペンタジエニル)は、Cp^-と化学的・物理的類似性を有しており、6電子供与体としてη^5配位によりホスファメタロセンを形成する。ホスファメタロセンのリン原子には局在化した非共有電子対があり、2電子供与体としてホスフィン類似の機能がある。この点に着目し、二官能性配位子としてのホスフォールを遷移金属錯体へ応用し、新たな結合・反応性・機能の発現を目指した。一つ目の成果としては、ホスファルテノセン類が種々のアシル求電子剤と反応し、通常のメタロセンとは異なり、金属中心に求電子攻撃を受けることによりリンとルテニウムの間に架橋ビニリデン構造を有する特異な錯体を生成することを見出し、その反応機構について考察を加えた。また、これらの新規ルテニウム錯体の反応性に関しても検討を加えた。二つ目の成果としては、モリブデン触媒による不斉メタセシス反応を応用することにより、面不斉を有する架橋ホスファフェロセン類をほぼ完全なエナンチオ選択性で不斉合成できることを見出した。我々の反応は、遷移金属触媒による面不斉メタロセン類の不斉合成例としては非常にまれな例であり、また潜在的に不斉配位子・不斉ルイス塩基として作用しうる化合物の不斉合成である。またこれらの化合物の不斉合成には、モリブデン錯体のみならず、ルテニウム錯体も有効に用いることができることを示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(25 results)