Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
金属-金属結合を有するバイメタリックな化合物は遷移金属錯体によって活性化され多重結合へ付加し、新たに炭素-金属結合を含む化合物を与える(ビスメタル化反応)。本研究課題はこのビスメタル化反応を機軸とする環状化合物の効率的な不斉合成反応を新たに開発することを目的とする。その開発研究を進めるに辺り、当該年度はニッケル触媒による1,3-ジエンとアルデヒドとのカップリグ反応に、有機ボロン酸や有機ケイ素化合物を用いだ三成分縮合反応の検討を行った。(E)-1-[4-(methoxymethyoxy) methylphenyl]buta-1,3-diene、アニスアルデヒドおよびフェニルボロン酸をニッケル-トリフェニルホスフィン錯体存在下、CPME中で反応させたところ、1,3-シンの関係に立体化学が制御された(1S^*, 3R^*,E)-5-[4-(methoxymethoxy) methylphenyl]-1-(4-methoxyphenyl)-3-phenylpent-4-en-1-olが収率良く生成した。さらにこの反応の適用範囲の拡大を目指し検討を行ったところ、様々な基質においてもシン体の化合物のみが生成することが明らかとなった。一方、フェニルボロン酸の代わりに2-(diphenylsilyl) phenylmethanolをトランスメタル化として用い、1,3-bis(2,4,6-trimethylphenyl) imidazoium配位子及び炭酸セシウム存在下で反応を行ったところ、1,3-アンチの立体化学を有する三成分カップリング体が収率良く得られることが分かった。またこのケイ素試薬を用いた反応においては、試薬の滴下速度が収率に大きく影響することがわかり、また様々な基質に適用可能であった。以上の結果より、ニッケルーホウ素、ニッケル-ケイ素間での元素相乗作用の違いによって反応経路が変化することが明らかとなった。
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