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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
(1)ガリウム架橋鉄二核錯体Cp*(dppe)FeGaFe(CO)_4(1:Cp*=η-C_5Me_5,dppe=Ph_2PCH_2CH_2PPh_2)を過剰量のPR_3(R=Me,OPh,OMe)共存下で光照射すると,カルボニル配位子がPR_3によって置換された錯体Cp*(dppe)FeGaFe(CO)_3(PR_3)(2)が生成した。2a(R=Me)および2b(R=OPh)の構造をX線結晶構造解析によって決定した。2aおよび2bのCp*(dppe)Fe-Gaおよび(OC)_3(PR_3)Fe-Ga距離は,ともに通常のFe-Ga単結合距離よりもかなり短く,不飽和結合性を有することを示唆していた。また,錯体1と比較すると,Cp*(L)Fe-Ga結合長は1<2b<2aと変化しており,逆に(CO)_3(L')Fe-Ga結合長(L'=CO,PR_3)は1>2b>2aであった。つまり,LあるいはL'として,より電子供与性の強い配位子を導入すると,それらが導入された鉄フラグメントとガリウムとの結合長が短くなることがわかった。これは,電子供与性の高い配位子を導入することで鉄フラグメントからガリウムへの逆供与が強くなり,多重結合性が増加し,その分,他方のフラグメントからの逆供与が少なくなり,多重結合性が減少したと考えると説明できる。 (2)大過剰のPMe_3またはP(OMe)_3存在下で1を長時間光照射すると,二置換体錯体Cp*(dppe)FeGaFe(CO)_2(PR_3)_2(3)が得られた。3の^<31>PNMRスペクトルでは,dppeおよびPR_3に帰属されるシグナルが一重線として観測された。これは,一置換体2の31PNMRスペクトルでは,dppeおよびPR_3に帰属されるシグナルが,それぞれ二重線および三重線として観測されていることと対照的である。
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