ボリルリチウムを基軸とした新しいホウ素-金属結合の創成と新規重合触媒としての応用
Project/Area Number |
19027015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 誠 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (10376486)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ホウ素 / リチウム / トランスメタル化 / 4族金属 / 配位重合 / 銅 / 亜鉛 |
Research Abstract |
今年度はこれまでに、ボリルアニオン等価体であるボリルマグネシウム、ボリル銅、ボリル亜鉛をそれぞれ調整することに成功し、これら全てはX線結晶構造解析を行うことにも成功した。それぞれ最も特徴的な反応として、ボリルマグネシウムはベンズアルデヒドとの反応において、これまでに合成されたことのないベンゾイルボランを与えることを見いだした。また、ボリル銅及び亜鉛はα,β-不飽和エノンと反応して、対応する共役付加体を与えることがわかった。この反応における金属エノラート中間体をケイ素反応試剤で捕捉することによって、分子内にアリルボランとシリルエノールエーテルを有するγ-シロキシアリルボランを得ることにも成功した。また、今年度の最も大きな成果として、ボリルリチウムとチタンテトライソプロポキシドとの反応によって、ボリルチタントリイソプロポキシド錯体の合成に成功した。この錯体はボリルチタンの初めての合成例である。その結晶構造中でホウ素-チタン距離はそれぞれの原子の共有結合半径の和よりも長く、ホウ素-チタン結合のイオン性が高いことが明らかになった。また、チタン-酸素間距離はかなり短く、pπ-dπ相互作用の存在が示唆された。このように、今年度はホウ素原子と様々な金属間の結合を新しく作り出すことに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)