Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
カリックスアレーンとポルフィリンが融合した化合物であるカリックスフィリンは、柔軟な骨格と酸化還元活性なπ共役平面を併せ持つ新しいタイプの大環状多座配位子である。しかしながら、カリックスフィリン金属錯体の触媒活性に関しては全く報告例がなかった。本研究では、ホスホール、ピロール、および他の複素環が組み込まれたさまざまなハイブリッドカリックスフィリン配位子を構築し、複数の典型元素が織りなす協同効果がうまく発現されるような反応性金属触媒を創製することを目標として研究を進めてきた。まず、ホスファトリピランとピロール、フラン、およびチオフェン誘導体との酸触媒縮合環化反応と引き続く酸化反応により、14πおよび16πP,N2,X型カリックスフィリンを合成し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかにした。次いで、パラジウム、ロジウム、および金との錯形成反応を行い、得られた錯体の構造とπ系の電子状態を調べた。ここで、0価パラジウムと16πP,N2,Sハイブリッドとの組み合わせでは、金属と配位子の間で酸化還元が起こり、2価のパラジウム錯体(Pd-P, N2, X錯体)が生成するという興味深い知見を得た。さらに、パラジウム錯体とロジウム錯体を用いて、Heck反応とアセチレンのヒドロシリル化反応をそれぞれ検討し、これらの錯体が触媒として振る舞うことや、カリックスフィリン骨格を構成する複素環の組み合わせにより触媒活性ならびに反応の選択性が大きな影響を受けることを明らかにした。
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