白金(0)錯体とα、ω-ジヒドロシランおよびジヒドロゲルマンの反応
Project/Area Number |
19027051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
持田 邦夫 Gakushuin University, 理学部, 教授 (20118772)
|
Project Period (FY) |
2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ヒドロシリル化 / 触媒反応 / X-線結晶構造解析 / ジシラン / 白金(0)錯体 |
Research Abstract |
α、ω-ジヒドロジシラン及びジヒドロジゲルマン、の中で最も連鎖の短い1、2-ジヒドロジシランおよびジヒドロジゲルマンがどのように白金錯体で活性化されるかを14族元素上の置換基や白金上の配位子をいろいろ変えて検討した。[Pt(PPh_3)_2(C_2H_4)](1)とHAr_2SiSiAr_2H (2a:Ar = C_6H_5, 2b:p-MeC_6H_4)を塩化メチレン(CD_2Cl_2)中、-40℃で反応させ、一連の反応を^1H,^<31>PNMRスペクトルとX-線結晶構造解析装置を組み合わせて追跡した。白金錯体1にアリール置換ジシラン2のケイ素-水素結合が酸化的付加(生成物3)した後、ケイ素の1、2-転移を経てビス(シリル)白金錯体[Pt(PPh_3)_2(SiHAr_2)_2](4)が生成する。錯体4は0℃で容易に白金二核錯体[Pt_2(PPh_3)4(μ,-SiHAr_2)_2](5)へと変化する。白金二核錯体5は更に反応が進み、一週間後には、PPh_3を解離して別の白金二核錯体[Pt_2(PPh_3)_2 (μ-SiHAr_2)_2](6)に変化する。白金二核錯体5、6の構造はNMRスペクトルのみならずX-線結晶解析でも確認できた。上記反応は錯体1とメチル置換ジシランHMe_2SiSiMe_2Hとの反応でも同じように観測された。ただ、錯体1とジシランHme_2SiSiMe_2Hとの反応ではケイ素一水素結合が白金に酸化的付加をした錯体は不安定でNMRスペクトルでは観測できず、ビス(シリル)白金錯体[Pt(PPh_3)_2(SiHMe_2)_2]が最初に観測される。白金二核錯体6と配位子との反応を検討した。白金錯体6に2倍量のPPh_3を添加すると錯体5になる。すなわち、白金二核錯体5と6との間には平衡が成り立っている。また、この錯体6にdppeを等量加えると新しい錯体7を生成する。白金二核錯体7の構造はNMRスペクトルのみならずX-線結晶解析でも確認できた。白金二核錯体7のケイ素-ケイ素結合は2.651Åと短い。ケイ素-ケイ素結合間に共有結合の有無を確認するため、詳細なX-線結晶構造解析と計算を行った。その結果、白金二核錯体7のケイ素-ケイ素結合には確かに相互作用は認められるが、明確な共有結合は存在しないことがわかった。 白金錯体の配位子をPPh_3からアルキル置換ホスフィンに置き換えると白金錯体が安定化することが知られている。錯体1とアリール置換ジシラン2bの反応をシクロヘキシル置換ホスフィン配位子(Cy_3P)に置き換えて反応を検討した。酸化的付加錯体3(または3')は通常では低温にしないとNMRで観測できないが、配位子を変える事により予想通り比較的穏やかな条件で観測できた。また、錯体3'からビス(シリル)白金錯体4'ヘケイ素の1、2-移動する反応が非常に早くなり、錯体4'からシリレンが発生し、新しい錯体がスペクトル的に観測された。 ビス(シリル)白金錯体4から白金二核錯体5はどのように生成するだろうか。メチル置換ジヒドロジシランとの詳細な検討の結果、錯体4からシリレンが発生し、ケイ素置換白金ヒドリド錯体を形成し、二量化が進む事もわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)