ポルフィリンの内外に二つの金属をもつ複核錯体の触媒機能
Project/Area Number |
19028028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
忍久保 洋 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50281100)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ポルフィリン / 遷移金属 / 触媒 / 複核錯体 / ピンサー錯体 / Heck反応 / パラジウム / 白金 |
Research Abstract |
ジホウ素化ポルフィリンに対して、2-ヨードピリジンとの鈴木-宮浦カップリングにより2-ピリジル基を導入し配位子を合成した。こうして得られたβ,β'-ビピリジルポルフィリンにパラジウム(II)および白金(II)塩を作用させるとmeso位のC-H結合切断を伴って収率よくポルフィリンピンサー型金属二核錯体が得られることを見いだした。このポルフィリンピンサー金属二核錯体をポルフィリンとして眺めた場合、非常に珍しい外周部に遷移金属をもつポルフィリンと見ることができる。一方、ピンサー型錯体としては、異種二核ピンサー型錯体と見ることができる。ここで、一方の金属によって触媒活性を担うもう一方の金属上の反応サイトの反応性が変化するのではないかと考えた。中心金属がZn(II), Ni(II), Cu(II)およびフリーベースポルフィリンピンサーパラジウム錯体を合成し、その構造解析と反応性の比較を行った。亜鉛体については結晶構造解析には成功していないが、他のポルフィリンピンサーパラジウム錯体はよく似た構造をとっており、特にパラジウムの配位環境はほぼ同一であった。パラジウム錯化する前のβ,β'-ビピリジルポルフィリンではポルフィリンが平面構造をとっているのに対して、錯化後ではポルフィリン環が大きくゆがんだ構造をとる。一方、パラジウム周りはほぼ理想的な平面四配位構造をとっていることが明らかとなった。ポルフィリンピンサーパラジウム錯体はヨードベンゼンとアクリル酸エステルとのMizoroki-Heck反応に対して触媒活性を示し、その活性はポルフィリンの中心金属に大きく依存することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)