Project/Area Number |
19028034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 浩靖 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (00314352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127282)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 触媒 / 立体選択性 / 有機金属錯体 / 水素化 / モノクローナル抗体 / 蛋白質 / 基質特異性 / 不斉反応 |
Research Abstract |
ジフェニルホスフィンとシクロオクタジェンを配位子とするアキラルなロジウム錯体を特異的に結合するモノクローナル抗体IG8を得た。そのうちのl種、抗体1G8はロジウム錯体と最も強く結合し、2.3x10^<-7>Mの解離定数を有することがわかった。アラニン前駆体の水素化反応では、抗体非存在下D-体とL-体の両者のラセミ体が得られるのに対して、抗体存在下ではレ体のみが生成していることがわかった。ロジウム錯体と抗体lG8との複合体を触媒としたときに見られたエナンチオ選択性はロジウム錯体が抗体の結合部位に取り込まれることによりはじめて発現されたものであると考えられる。抗体lG8はロジウム錯体のみならずイリジウム錯体とも複合体を形成した。このモノクローナル抗体とイリジウム錯体との複合体を用いてケトン類およびイミン類の移動水素化を行った。本抗体は3Mギ酸ナトリウム存在下でもイリジウム錯体と安定な複合体を形成することがわかった。ギ酸ナトリウムを水素源とするアセトフェノンの移動水素化反応において、イリジウム錯体のみではラセミ体が得られるのに対して、抗体存在下では67%eeで水素化生成物が得られた。抗体がアキラルな配位子を有する遷移金属錯体に結合することによりケトンの移動水素化反応において立体選択性を付与することができた。比較としてビロゲンを分子末端に有するイリジウム錯体を合成し、別途作製した抗ビオロゲン抗体のビオロゲン部位に金属錯体が固定された複合体を合成した。その抗体と錯体との複合体を用いてアセトフェノンの移動水素化を行った結果、イリジウム錯体のみの系と同様、生成物はラセミ体となることがわかった。つまり本研究において見出された触媒反応の立体選択性はモノクローナル抗体がアキラルな遷移金属錯体に対して「直接」結合することによりはじめて発現されたものであることがわかった。
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