NO還元酵素を範とするNO分子の選択的活性化およびNO固定化
Project/Area Number |
19028053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有川 康弘 Nagasaki University, 工学部, 助教 (30346936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正義 長崎大学, 工学部, 教授 (00039695)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 金属酵素 / N-Nカップリング / 酸化還元反応 / 一酸化二窒素 / 二核錯体 / ピラゾリルボレート / ルテニウム |
Research Abstract |
本研究は、窒素循環サイクルの一部である脱窒作用における触媒サイクル、特に一酸化窒素還元酵素の触媒サイクルの機能を模倣することを目的とした研究を行った。一酸化窒素還元酵素は、2分子のNOから2電子および2プロトンにより、N_2OおよびH_2Oへと変換する酵素である。この酵素の活性部位は2つの金属ユニット(ヘム鉄およびノンヘム鉄)からなっていると考えられ、その反応過程において、2つのNO分子同士のN-Nカップリングが重要なステップである。 本研究において、その鍵となるN-Nカップリングを二核ルテニウム錯体上において見出した。単離したN-Nカップリング生成物は、N(=O)-N(=O)架橋二核ルテニウム錯体であり、X線構造解析の結果、このN-N間距離はこれまでにない異常な距離となっていることが分かった。(DFT計算などによりそのN-N間の結合性相互作用の存在を確認した。)興味深いことに、このN-N間結合は酸化により容易に切断され、還元により元に戻ることが分かった(CVにより2電子分の可逆な酸化還元波を確認。)また、その酸化された錯体のX線構造解析にも成功しており、N-N間距離はさらに長くなっており、結合性相互作用はみられない。 注目すべきは、このN-Nカップリング生成物にプロトン酸を作用させると、酸化された生成物とともに、オキソ架橋二核錯体が得られ、さらにN_2O分子の脱離がガスクロマトグラフィーにより検出されたことである。これらのことは、一酸化窒素還元酵素が行っている機能を再現したことになる。今後、生成したオキソ架橋二核錯体を2つのプロトンと2分子のNOを反応させることにより、量論反応ではあるが、触媒サイクルを達成することを目的とする。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)