Project/Area Number |
19029029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水谷 泰久 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (60270469)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 共鳴ラマン分光法 / 時間分解分光法 / センサータンパク質 |
Research Abstract |
FixLは根粒菌由来の酸素(O2)センサーヘムタンパク質で、N末端側のヘムを含むセンサードメインと、C末端側のキナーゼドメインからなる。高酸素条件ではヘムはO_2結合形になりキナーゼ不活性で、低酸素条件ではO_2解離形となりキナーゼ活性となる。FixLの機能発現機構を理解するためには、リガンドの脱着に伴ってどのような構造変化が誘起されるのかを明らかにすることが重要である。本研究では、全長タンパク質およびセンサードメインについて、時間分解共鳴ラマン分光法を用いて、O_2およびCO光解離に伴うへみの構造ダイナミクスを調べた。 O_2解離の場合、v(Fe-His)、γ7、v8バンドについて、サブマイクロ秒からマイクロ秒にかけてバンド強度の変化が観測された。一方、CO解離では、このような強度変化は観測されなかった。したがって、これらめバンド強度の変化は、FixLのリガンド識別およびO_2検知に関与する構造変化に由来すると考えられる。また、CO解離、O_2解離ともに、全長タンパク質ではセンサードメインのみのものに比べて構造変化の速度が遅くなった。これは、構造変化がキナーゼドメインと連動していることを強く示唆する。得られたデータを基にして、リガンド解離に伴う構造変化のモデルを提案した。本研究の結果は、FGループのシフトがキナーゼ活性の抑制に作用するという仮説を支持するとともに、ヘムのドーミングが複合的にFixLのキナーゼ活性を制御しているということを示唆する。 次に明らかにすべき点は、タンパク質部分の構造変化である。Tyr、Trp、Pheなどの芳香族アミノ酸残基は200〜300nmに吸収帯を持っているので、紫外光を用いることでこれらのアミノ酸残基の共鳴ラマンスペクトルを選択的に測定することができる。タンパク質部分の構造変化とヘムの構造変化とがどのように連動して起きているかが明らかになれば、センサータンパク質の情報伝達機構の解明に大きく近づくと考えちれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)